教本と講義
ひかりの輪で使用している教本やテキスト、それを解説した上祐代表の講話などをご紹介しています。

2015年12月

  • 第2~4回心理学講義 『自他の区別を超えて ~自己成長のセラピー講座~』第2~4回 (2015年12月21日)

    第2~4回心理学講義
    『自他の区別を超えて ~自己成長のセラピー講座~』第2~4回

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    1.意識の構造図の説明
    ◎ユングの意識図の説明・・・図① 参照

    ここで、意識のスペクトル図の各段階の詳しい説明の前に、私たちの意識の構造について説明しておきます。今後のスペクトル図の各レベルに基づいた講座の内容をより理解するためには必要かと思います。

    これから説明する意識の構造はユング心理学を基にしています。
    図を見てください。波線より上の部分が表層意識です。表層意識は意識全体(表層意識・無意識を含めた)の5~10%程度と言われています。よく氷山の一角と表現されます。
    この表層意識は論理的、合理的、分析的、功利的、言語的という性質があります。

     

    波線の下は無意識です。この波線は表層意識と無意識を分ける壁・柵です。
    無意識の領域も二つに分けられます。上の方を「個人的無意識(潜在意識」)といい、下の方はさらに深い意識で、人類に共通している無意識で「集合的無意識」といいます。

    ◎個人的無意識(潜在意識)
    個人的無意識は、この人生において経験されたデータ・過去からのデータが蓄積されています。故意にあるいは、意図せずに単に忘れ去ったか、抑圧したデータが蓄積されている貯蔵庫のようなものです。今まで人生で経験してきたすべてのことが、蓄えられています。たった一回経験したことでもなくならず、残っています。

    タンスの引き出しみたいなもので、普段はしまい込んでいて、引き出しを開けて「ああ、こんな服があったんだ。小さいとき着てたんだ」と。これは潜在意識にあったデータが表層意識にのぼってきた状態で、昔のことを思い出したということです。
    タンスの奥の方にしまい込んであるものは、なかなか思い出しません。しかし、退行催眠などを行うと小さい頃のことを思い出します。普段なかなか思い出せないことでも思い出します。子供のころのことだけでなく、前世かもしれないという記憶がよみがえることもあります。前世療法というものですね。(前世があるということも、ないということも、ともに証明することはできません。)

    潜在意識というのは、大変賢いです。例えば、ある部屋に通されて1分位待たされたとします。「こちらにどうぞ」と言われて、その後別な部屋に通されました。そこで「さっきの部屋に何がありましたか?」と聞かれたと。そのつもりではじめの部屋にいたのではないので表層意識ではあまりよく覚えていません。しかし、潜在意識にはしっかり情報は入っています。潜在意識は部屋に何があったか覚えています。

    そして、一度経験したことより何度も何度も繰り返し経験したことの方がしっかりと潜在意識に刻みこまれています。潜在意識に強く刻み込まれているものほど、私たちの行動に強い影響を与えます。

    そのことを詳しくお話しするために、潜在意識にデータがどのように刻み込まれるかというお話をします。この表層意識と潜在意識を分けている波線は表層と潜在意識を分ける壁・柵です。これは、7才~12才までの間に形成されます。ちょうど、小学生の年代ですね。中学生になるとほぼできあがり、大人と同じになります。
    余談ですが、中学生になると電車とか乗り物の運賃が大人料金になりますが、意識の形成過程からみても大人と同じになるということで理にかなっていて面白いですね。

    柵ができる前の子供時代というのは、表層意識と潜在意識の区別がほとんどありません。子供は潜在意識丸出しで生きていると言ってもいいと思います。潜在意識は活き活きとしたエネルギーの創造性の源です。ですから、子供は元気なんですね。
    また、「ある」か「ない」かの世界です。中間がないんです。ですから、こうしたいと思ったら、やらなければ気がすまない。我がままなんですね。子供は我がままでしょ?

     

  • 第1回心理学講義 第1回心理学講義 『自他の区別を超えて ~自己成長のセラピー講座~』第1回 (2015年12月21日)

    第1回心理学講義
    『自他の区別を超えて ~自己成長のセラピー講座~』第1回

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    それでは、「自他の区別を超えて ~自己成長のセラピー講座~」をはじめます。

    まず、講座の名前の説明からしたいと思います。チベットでは、仏教経典の講釈を行うときに経典の名前の説明からはじまります。その経典がどういうものなのか名前を説明すればわかるということです。

    それを真似するわけではありませんが、講座の名前を説明することによって、この講座がどういうものなのかつかんでいただけるのではないかと思いますので説明します。

    その前に「自己成長のセラピー」という言葉は、ケン・ウィルバー著の『無境界-自己成長のセラピー論』(吉福伸逸訳 平河出版社)からお借りしましたことをおことわりしておきます。

    「自他の区別」というのは、本来私たちの意識(何の制限もない広がった意識)とは違う「制限された意識(状態)」のことをさしています。

    「超える」というのは、その制限された意識の枠を超える・壊して、本来の意識に戻っていくということです。

    私たちは、自分で「私」という狭い枠を作ってその中で苦しんでいます。
    その枠が壊れたとき、そこには制限もない広々とした自分というものが経験されてきます。それが、本当の幸福への道なのです。

    副題の「自己成長」これは心の成長あるいは、意識の拡がりを意味します。
    「セラピー」これは「療法」です。
    近頃は、心理療法というものが人気がありますが、「サイコ・セラピー」といいます。 この講座のセラピーも心理療法と受け取っていただいたらいいと思います。

    講座というと一方的に聴くだけというのが一般的ですが、「心」の話となると頭でわかるだけでなく、「心」でわかる=気づきというのがたいへん重要になります。
    気づいて実感することですね。それこそ「セラピー」です。

    本講座では、単に知識をお伝えするだけでなく、エクササイズを行い、少しでも「気づき」を経験していただき、皆さんの成長に少しでもお役立てばと思いました。それで、「セラピー」という言葉を入れました。

     

    1.トランス・パーソナル心理学とは?

    この講座の背景となっている心理学は、トランス・パーソナル心理学という心理学です。 トランス・パーソナルとはどういう意味かといいますと、「トランス」とは「超える」、「パーソナル」は「個」という意味です。

    ですから、トランス・パーソナル心理学を単純に訳すと「超個心理学」「個を超える心理学」となります。この場合「個」というのは「個人」「自我」と考えていただいたらいいと思います。そうすると「自我を超える心理学」ということになります。

    「超える」とはどういうことか説明しますと、二つありまして、一つは水平方向です。
    これは、横へ の広がり、人と人との連帯・つながりということです。
    もう一つは垂直方向で自分の内面に深く入り込んでいって、「自我」を超えた意識状態を体験するということです。
    言葉の表現上、水平と垂直と分けて話していますが、結局は同じことであるとわかります。

    自分という 枠を壊せば、意識は全体に拡がっていくわけですから、水平にも垂直にも拡がるということになります。

     

      2.トランス・パーソナル心理学の成立過程

    トランス・パーソナル心理学の成立過程を見ていくことで、トランス・パーソナル心理学がどういうもの なのかわかってくると思いますから、簡単にその成立過程を見ていくことにしましょう。

    トランス・パーソナル心理学は、1960年代の後半にアメリカで成立しました。

    20世紀になって大きく発展してきた心理学は、四つの大きな流れがあります。
    その中でトランス・パーソナル心理学は第四の勢力と言われ、心理学の大きな潮流の中で最も新しい心理学の流れです。

    第一の勢力は、フロイトの精神分析です。

    ご存知の方も多いと思いますが、フロイトは無意識の発見者といわれ、その功績は高く評価されています。 現代の心理療法のはじまりを創ったのはフロイトといってもいいでしょう。
    フロイトは、神経症の原因が本 人も気づかない無意識の中に隠されていることをつきとめました。無意識にある原因に気づいていくことに よって、神経症が治っていくと唱えました。
    その主な方法は、夢を分析することによって、無意識の領域にア プローチすることです。フロイトは、人間の病んだ心の部分に焦点をあてていて、無意識というものをガラクタの集まりととらえていました。
    ただ、何でも性的なものに還元してしまうので、そのことに抵抗を示す人たちもいます。
    その後、多くの弟子たちが、彼の理論を発展させて現在にいたっています

    第二の勢力は、スキナー等の行動主義心理学です。

    物理学が科学として成立してきたことで、心理学も「科学」として成立させようという人たちがいました。しかしそのためには、「心」という目に見えないものを対象にしても客観的科学として成り立ちにくいので、目に見える「行動」(人間の生物機械的側面)を研究対象にしました。
    つまり、科学としての心理学は対象を客観的な行動に限定すべきだとし、人間を生物機械的にとらえ、おもに「刺激-反応」のパターンで理解しようとするものです。
    この考え方によれば、人間の行動は基本的に、すべて無意識の行動となります。
    フロイトが意識と無意識を分けたのに対して、行動主義では意識の存在すら認めないことになります。

    ですから、心に悩みをかかえている人が解決の参考になるのではと考えて、心理学の本でも読んでみようと、 行動主義の心理学の本を読んでもあまり役に立ちません。
    そして、「何だ心理学なんて役に立たないや」ということになります。(ただ、行動主義の中から出てきた認知療法はうつや不安神経症の人たちに対する療法としてかなり一般的になり効果が出ています)

    第三の勢力は、アブラハム・マズローの人間性心理学です。

    マズローは、はじめ行動主義心理学の研究者として出発しました。
    しかし、自分の子供が産まれ、子供を観 察していくうちに行動主義の人間を機械として見る見方に疑問を感じだしました。

    また、第一の勢力である精神分析は、病んでいる人の心の研究で、その点にもマズローは疑問をもち、より 健康な人たちを研究対象とした積極的な心理学を打ちたてました。それが、人間性心理学です。

    マズローは人間の欲求を階層的にとらえました。 最下層にあるのが、「生理的欲求」であり、その欲求が 満たされれば、次の欲求が起こってくるというものです。そして、その基本的な諸欲求を適度に満たすことが 出来れば、人間はますます成長し、心理的に健康になっていくと考えました。

    以下が6つの基本的欲求です。

    「生理的欲求」・・・・・空気・水・食物・庇護・睡眠・性への欲求
    「安全への欲求」・・・・安全・安定・依存・保護・秩序への欲求
    「所属と愛の欲求」・・・愛されることへの欲求
    「承認欲求」・・・・・・自尊心・尊敬されることへの欲求
    「自己実現欲求」・・・・自分がなりたいものへの欲求

    また、マズローは「至高体験」というものに着目しました。「至高体験」というのは、大きな感動や喜びで 我を忘れるほど素晴らしい体験のことです。
    雄大な自然の美しさに時 を忘れ、我を忘れて感動する。そして大きな喜び、幸せを感じる。
    一般的に「ハイ」 と言われるものです。ランナーズ・ハイとか、宇宙と一体化するとか、宗教的体験なども含みます。

    「至高体験」のときの意識は、日常の意識状態とは違う意識状態で、変性意識状態と呼ばれるものです。

    そして、彼はその意味を考察しました。
    彼は、今までの精神分析や行動主義が病理的な面ばかり注目することに疑問を持ち、人間のこの「至高体験」 を起こした時の心の様子を探求することにも意義があるのではないかと考え、もっと人間の可能性、創造性、成 長、価値、自己実現など、人間の全体性、好ましく、高次な側面に焦点を当てた明るい心理学をめざしたのです。

    この明るい考え方は、「人間性心理学」として、60~70年代のアメリカの若者を捉えました。
    そして、「至高体験」は、「自己実現」している人たちの方がそうでない人たちより多いとマズローは言っています。

    この「至高体験」の研究からマズローは晩年「自己超越欲求」というものが「自己実現欲求」の上にあるんだ と言うようになりました。
    先ほど紹介した欲求の階層説の最後に「自己超越欲求」というものを加えたのです。

    マズロー自身アメリカ心理学会の会長まで務めた方でしたから「自己実現」していたといえるわけです。
    そういう人が「自己実現欲求」のさらに上に「自己超越欲求」があると唱えたということは、彼自身、「自己超越欲 求」というものを感じていたのではないかと推測できます。

    そして、この「自己超越」ということがトランス・パーソナル心理学の成立に結びついていきます。

     

     

  • 2015~16年 年末年始セミナー特別教本 『総合解説 一元の智慧 万物一体の真理』  (2015年12月19日)

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  • 2015年夏期セミナー特別教本  『仏教の心理学 心の三毒、智慧と慈悲』 (2015年12月19日)

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    『仏教の心理学 心の三毒、智慧と慈悲』

     

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  • 1.ヨーガとは? (2015年12月17日)

                                              山口雅彦

     

    大乗仏教の代表的派として中観派と唯識派という大きな派があります。唯識派とは、唯識ヨーガ行派といわれます。
    唯識は仏教の深層心理学と言われていて、その派の名前からもわかるようにヨーガの行を通じて得た瞑想体験の中から心の解明をしていきました。このように、心の解明とヨーガ行というのは関連しています。

  • 2.サンスカーラ (2015年12月17日)

                                              山口雅彦

     

    いつも、ある状況になるとパターン化した決まった行動や心の態度をとってしまう、自分ではそんな態度とりたくないのに・・・・。

  • 3.卑屈さと心のコントロールの関係 (2015年12月17日)

                                              山口雅彦

     

    ☆「ヨーガの八部門」

    さあ、それでは自己の真の主として、自己を振り回す習慣化された反応パターンをコントロールするための実践方法である、ヨーガの八部門をみていきましょう。

  • 4.禁戒と心のコントロールの関係 (2015年12月17日)

                                                                                        山口雅彦

    それでは、五つの戒と心のコントロールと関連した意味合いをみていきましょう。

    ①非暴力
    他を傷つける心の状態は元々不安定です。他を傷つけるときは、背景に怒り・憎しみがあります。怒りや憎しみに支配された心は調御しがたく、そして、暴力をふるうことにより、心はさらに昂ぶり、後悔の念が生じたりしていっそう不安定になります。

  • 5.知足と縁起と感謝 (2015年12月17日)

                                              山口雅彦

    2.<勧戒>

    禁戒というのは、「~してはいけないよ」、というもので、勧戒は「~しなさいよ」というものです。

    禁戒を守らないことで、卑屈さが増すという話をしました。それとは逆に勧戒を実践することは、自己評価を高めます。悪いことをすれば、自己評価が下がり卑屈になり、心は不安定になります。善いことをすれば、自己評価は上がり卑屈さは減り、心は安定します。

     

  • 6.調身・調息・調心 (2015年12月17日)

                                              山口雅彦

    よく調身・調息・調心といいます。目に見えない、つかめない心にいきなりアプローチすることは、むずかしいことです。それに比べ身体や呼吸をコントロールすることの方が簡単です。ですから、まず身体・呼吸をコントロールし、それを通して心にアプローチしていきす。調身・調息によって調心をはかるというわけです。