オウム真理教の清算
オウム真理教時代の清算についてのコーナーです

2022年3月

  • オウム清算の歩み (2022年3月20日)

       ひかりの輪は、前記のオウム真理教の反省・総括に基づき、長年にわたって数々の団体改革を重ね、オウムの清算――すなわち、麻原・オウム・アレフからの脱却(脱麻原・オウム・アレフ)はもとより、麻原・オウム・アレフに反対する活動(反麻原・オウム・アレフ)を徹底して続けてきました。

       その歩みの詳細については、以下の記事をご覧下さい。

    ●脱麻原・脱オウムの諸改革

    ●反麻原・反オウム(アレフ)の諸活動

    ●ひかりの輪がオウムではない事実〈裁判資料から〉

  • ひかりの輪とアレフの大きな違い (2022年3月20日)

      ひかりの輪の主要スタッフは、2007年にアレフを脱会し、過去の反省に基づき、ひかりの輪として新しい道を歩み始めました。

      しかし、現在も依然として、ひかりの輪とアレフが同じオウム真理教の後継団体だという誤解がよくありますので、以下に、「ひかりの輪とアレフの違い」を、わかりやすくご説明させていただきます。

       一言で表現するなら、現在のアレフは、「盲信・狂信型の、強度なカルト宗教団体」であり、ひかりの輪は、「仏教などの東洋思想や心理学などを含めた思想哲学の学習教室」といえます。

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                                                   目 次

    第1 両団体の違いの概略

    第2 徐々に認められつつある両団体の違い

    第3 両団体の違いの詳細

    1 会員数

    2 経済規模など

    3 遵法精神の有無

    4  オウム事件の謝罪・反省・賠償

    5 思想・教材

     (1)団体の基本的性格
     (2)オウム真理教の教材
     (3)麻原の見方
     (4)オウム事件の見方
     (5)信仰対象
     (6)世界観・基本的な思想

    6 組織の透明性・開放性の有無

     (1)行事・教材の公開性
     (2)報道機関・地域住民への対応
     (3)外部監査の受け入れ
     (4)活動の形態
     (5)他宗教・宗派等との交流
     (6)親族との交流

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    ■第1 両団体の違いの概略

      まず、両団体の違いの概略を簡潔に説明します。


    ◆ひかりの輪: 思想哲学の学習教室

      ひかりの輪は、いかなる特定の神・教祖・思想も絶対視しておらず、「宗教」「教団」ではなく、「東西の思想哲学の学習教室」です。

      物の豊かさに加え、心の幸福・豊かさ・悟りのために、仏教などの東洋思想や、心理学・自然科学などの東西の叡智を学んでいますが、その学びにおいて、盲信を避け、理性を重視しています。また、入会しなくても学ぶことができます。

      また、ひかりの輪は、麻原・オウム信仰を脱却し、事件を謝罪して、オウム真理教犯罪被害者支援機構(以下「被害者支援機構」と記す)と賠償契約を正式に締結し、定期的な経済報告をしつつ、その実行に努めています。

      そして、上祐代表ら団体の役員が、オウム時代を反省・総括した書籍(①上祐代表の著作一覧スタッフの著作一覧)をすでに多数出版しており、今後もさらに出版する予定です。

      こうした反省・総括は、新聞・雑誌や、テレビの取材・出演や、全国各地での講演・トークショーなどでも語っています。

      さらに、松本サリン事件被害者の河野義行氏らを招いて外部監査委員会を設置しました。活動を定期的に報告し、その監査・指導・助言を受け、広報活動を含め、外部社会との融和に努めています。なお、一部の被害者やご親族の方々と交流しています。

      団体の思想や活動のお知らせは、団体のインターネットサイトや、ネットで所属と実名を明かした指導員が行っており、アレフに関して問題視されている「覆面布教」は行っていません。

       発足以来いまに至るまで、団体の活動で会員が刑事摘発(起訴)されたことは一切なく、さらには、専用のブログを開設するなどして、アレフの洗脳教化などの違法行為の告発・解決に努めています。

      また、団体規模も、専従スタッフ(住み込みの専従会員)は、10名前後とごく小規模です。

      2007年にアレフを脱会し、発足して以来、団体の思想と活動が、オウム時代とは抜本的に変わる中で、専従スタッフの数は、5分の1以下に急減しました。その中には、オウム信仰の崩壊の影響もあって、うつ病を含め、心身を病む者も出ました。

      オウムと違って、大規模な集団居住や親族との交流の禁止などはありません。

      全国5カ所の団体施設・活動場所は、一軒家やマンションであり、その多くが1~2名が居住するばかりです。最大の東京本部教室も7名(専従スタッフのみなら5名。他に住み込みの非専従会員が2名。マンションの一部屋には1~3人)に留まっています(一つだけ残っていた東京の大型施設部分は2014年1月下旬に解約)。
      専従スタッフは、オウムと違って、親族・一般の知人とも、普通に交流し、高齢の親族の介護等のため定期的に実家と往復する者も複数います。 

      専従スタッフの中に、60代が2名(専従スタッフの平均年齢は50歳を超過)、同居の非専従会員を含めて疾患を抱える者が2名おり、団体による生活扶助を必要としています。
      (仮に脱会した場合は、生活保護が必要となると思われ、実際に最近脱会した複数の者が、生活保護を受けています)。

      上記のうち外部に就労している者もおり、その他、団体の教室で思想哲学の学習、ヨーガ・気功等の指導、個人面談、ヒーリングの指導や、事務・経理・広報活動に従事している者が、全国4施設・活動場所(他の1施設は普段は無人)等に散って、合計で10名前後です。

      なお、一般会員を含めても、会員総数は60名前後です。団体は、入会を強調しない方針もあって、発足以来、会員数は増えていません(以上、会員数は2022年4月段階)。ただし、非会員として外から学ぶ人、通う人、ネットの中継講話などを聞く人は、随時入れ替りながら、全体として徐々に増えていると思います。

      総資産も1000万円強程度と小規模で(アレフの40分の1ほど)、総資産の約3分の1にあたる300万円以上の賠償金を毎年支払う契約となっており、2022年4月までに5400万円以上をお支払いしました。


    ◆アレフ: 盲信・狂信型の強度なカルト宗教団体

      一方、アレフは、麻原を絶対とし、近年ますます麻原回帰し、オウム事件は陰謀であり(オウムの仕業ではない)、自分たちの帰依が麻原の死刑を遅らせるとまで信じてきた、盲信・狂信型の宗教団体であり、強度なカルト団体です。

      オウム事件については、表向きは教団の関与を認めつつも、広報活動はほとんど行なわず、窓口の電話連絡が取れない状況があります(多数のメディアからの情報)。

      その裏側で、事件は陰謀だとする布教(オウム事件はオウムの仕業と見せかけるための何者かによる陰謀であり、オウムは無罪という布教)をしています。

      具体的には、アレフを隠した覆面ヨーガ教室を行い、その中で、輪廻転生を強調し、修行しないと地獄に堕ちることを強調したり、さまざまな陰謀説を説いたりして、オウム事件も陰謀だと主張するなどといった、詐欺的・洗脳的な布教活動を行っています。

      ここ数年の間に、在家信者や出家信者が、布教活動における詐欺・強要や、当局の立入検査を妨害したという嫌疑で、逮捕ないし強制捜査が行われた事例が複数あります(ただし、結果は、処分保留、起訴されるも無罪判決、現在公判中など)。

      2013年には、その施設の中で、公安当局の職員やアレフに反対する弁護士らの複数の写真をナイフで串刺しにしていた事実が発見されました。
     
       団体の規模は、出家者の総数は、定かにはわかりませんが、数百名前後と大規模であり、先の詐欺的教化により、公安調査庁によると、2013年だけでも、数百名の新規信者を獲得し、構成員は、1000名を超え、急増させています(報道による)。

      そして、資産も約10億円に上り(2019年4月の東京地裁判決による事実認定)、さらに、東京の足立区に大型のビル物件を取得し、資金力も急増させています。それに対して足立区は、教団を規制する新たな条例を導入しました。

       こうして、新たな地域問題を起こすほどに、資金が潤沢にもかかわらず、ひかりの輪と違って、被害者支援機構と賠償契約を締結することは拒絶しています。ただし、教団が潰されることを恐れ、教団防衛のために、賠償金ではなく「寄付」をしていますが、その額は、総資産の40分の1ほどと、ごくわずかにとどまっています(寄付ならば、麻原・教団が事件に関与したこと認めたことにならない)。

      そのため、被害者支援機構が、2012年の3月に、アレフを相手取って、不履行となっている賠償金の支払いを求める調停を東京簡裁に申し立てましたが、決裂したため、2019年4月には東京地裁が約10億円の賠償金の支払いをアレフに対して命じる判決を出しています(この東京地裁判決は最高裁によって確定)。

      また、被害者支援機構は、現在は同機構の資産であるオウム真理教の著作物をアレフが無断で使用しているとして、その使用の停止を求めています。この著作権侵害が事実ならば、これは刑事犯罪でもあります。 (※以上のアレフの行動の詳細は「アレフ問題の告発と対策ブログ」参照)

     

    ■第2 徐々に認められつつある両団体
    の違い


      しかしながら、この違いは、依然として、公安当局には十分に認められておらず、昔のイメージをコピーした形で、両団体を同一するかのように扱われている面があります。

      ただし、オウムをよく知る著名なジャーナリスト、国会議員、弁護士、宗教学者、心理学者、識者の方の一部には、すでに両者に違いがあることを理解されている方が出てきているように思います。

      まず、田原総一郎氏(オウム問題に詳しい著名なジャーナリスト)は、上祐と対談し(文化放送「田原総一朗 オフレコ!スペシャル」)、その後のラジオ番組で以下のように述べられました。
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      「(「ひかりの輪」は)宗教じゃない...
        麻原彰晃をいまでも信仰してるアレフの会...は宗教です...
        オウム、麻原を全面的に批判する「ひかりの輪」という、
        これは宗教じゃないんですよ。
        麻原を批判し、オウムを批判し、人間とはいかに生きるべきか(を考えている)。
        どっちかというと哲学に近いのね。ひかりの輪っていうのは。

        (司会:上祐さんは...宗教から抜け出て、そういう集団を作っている
                ...その怖さを身をもって知っているからですかね。)

        よーく知ってる。そこのところを上祐さんに聞いたわけ。」  
        (対談後のインタビュー動画2013.06.21放送
         「田原総一朗のタブーに挑戦! アベノミクスは成功するのか?」より) 
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      その後、上祐代表との対談書籍(『危険な宗教の見分け方』ポプラ社)を発刊され、発刊後、以下の発言をされています。
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      「地下鉄サリン事件のような無茶苦茶な犯罪を犯した
       オウムから抜け出すのに、なぜ7年もかかったのか。
       その苦労と悩みと努力がとてもリアリティーがある。
       (2013年12月13日 田原総一郎氏twitter)
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      オウム時代に対する上祐代表の反省本『オウム事件 17年目の告白』(扶桑社)を検証した有田芳生氏(ジャーナリスト・参議院議員)は、以下のように、上祐代表に大きな変化を感じたと述べています。
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      「僕は読んだ(『オウム事件17年目の告白』のこと)上で
       来ているんで、この17年間ここまで変わったか、
       っていう印象がものすごく強いんですよ。(中略)
       自分の父親とか母親のことについてですね、
       彼が普通なら語らないようなことまで書いているんですよ。
       その心境の変化っていうのは、やはり変化として認めておかなければいけない、
        というふう思うんですよね。(中略)

       (そこまで言って委員会「辛坊たまらん」(読売テレビ)での発言より)
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       『オウム事件 17年目の告白』の検証対談では、以下の発言をされました。
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       「ぜひ上祐氏と話をしてみたいと思ったんです。
        オウム真理教が起こした数々の事件についてだけではなくて、
        上祐さんのご両親の話が書かれていたからです。
        ...自分と両親の話に行き着いたのだとしたら、
       オウムばかりでなく、現代社会におけるカルトの問題、
       若者の内面に潜む根源の問題にまでたどり着いたはずだ
       と思えたんです。(中略)
    本書を読み、今日のお話も聞いて、上祐さんや周りの人たちが
    大きく脱皮しつつあることはわかりました。
      (『オウム事件 17年目の告白』の「検証対談」より)
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     またツィッターでは以下の発言をされています。 
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       「地下鉄サリン事件などを「内部」からどうみていたか。
         はじめて知ることばかりでした。
         カルト対策としても意味ある告白だと思います。」
        (有田芳生氏twitterより)
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      有田氏と同様にオウム問題で著名な江川紹子氏も、ツィッターで、上祐代表の過去のオウム時代の行為の責任の重さを指摘する一方で、次のように述べています。
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      「現時点の問題という点では、だんまりを決め込み、
       事件への反省のないまま麻原信仰を続け、
       被害者への賠償も放り出して施設を拡充し、
       詐欺的勧誘を続けているアレフの存在の方が、
      (ひかりの輪よりも)遙かに問題は大きいのではないか。
     
      (アレフの)荒木広報の悩んでるふり、考えてるふりに
      ごまかされてはならない。」
      (2012年6月17日)
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      また、カルトやオウム問題に詳しい紀藤正樹弁護士は、『サンデー毎日』(2012年7月1日号)誌上で次のように述べています。
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      「ひかりの輪はアレフから追い出された少数派であり、
       教団というよりサークルに近い。
     
      サリン事件のようなことをやれば、団体として大変なことになる
      と分かっていた幹部連中が追い出された。
     
      サリン事件を体験していない人たちが幹部となったアレフには、
      『事件には何かしらの意味があった』と思っているような信者が残りました。
     
       アレフ信者の、麻原彰晃に対する信仰の度合いは、
       95年以前と同じで、むしろ個人崇拝、帰依度は高まっている。
      昔との違いは、サリンを作るような施設がない点だけです...

        今もアレフが勢力を拡大している事実を
       深刻に受け止めないといけません。」
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      さらに、オウム真理教を研究し、著作もある宗教学者の大田俊寛氏は、月刊誌『atプラス13号』(太田出版)誌上で、上祐と対談した後、次のように述べています。
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      「上祐氏は、元オウム幹部としてはほぼ唯一教団に残り続け、
        分派という形にはなったものの、
        麻原信仰からの脱却の必要性を主唱し、
        オウムとは何だったのかという問いに真摯に向き合い、
        被害者への賠償に積極的に取り組むことを明言している。

        また、明確な方向性を見出せないまま
        麻原信仰に回帰しようとしているAlephの現状について、
        いくつもの重要な警告を発している。(中略)
      
        上祐氏は現在、その立場ゆえに批判や非難を受けることも多いが、
        それはすなわち、氏がオウム事件の責任に応答する主体として、
        誰よりも正面に立ち続けているということを意味するものだろう。
      
        私は少なくともこうした点において、
        現在の上祐氏を評価したいと考える。」
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      認知心理学者の下條信輔氏(カリフォルニア工科大学生物学部教授)も、上祐代表の著作に言及し、
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      「オウム事件関係の類書の中で
       「もっともよく整理され」「もっとも深く突き詰めている」
       と評価が高い。
       ...何と言っても麻原と若い信者たちの心理を、
      内側から分析したのが出色だ。

       ...かねてから抱えていた謎を解く、
      大きなヒントを本書から与えられた。...」
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    と述べています(朝日新聞「WEBRONZA」にて)。


      思想家の鈴木邦男氏も、以下の発言をされ、その後、上祐との対談本『終わらないオウム』(鹿砦社)を出版されました。
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      「元オウム真理教幹部の上祐史浩さんに会った。
      『オウム事件 17年目の告白』は力作だ。
      ...麻原との訣別...などについて、実に真摯に語っている。
      ...貴重な本です。じっくり読みました。感動しました。」
    同氏サイトにて
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      ロフトグループ社長の平野悠氏は、『危険な宗教の見分け方』について、
    以下の発言をされています。
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      「さて上裕〜ひかりの輪はこれからどこへ向かって行くのか、
       全く新たな「輪の思想」を構築出来るのか興味はある。
       私自身も上裕さんとは数度対談し、
       ひかりの輪主催の「聖地巡礼」にも参加したことがあるので、
      今の上裕さんの「立ち位置」は信用していいと思っている。」
      (ブログ「Rooftop」レビュー2013年)
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      その他の各界の識者も、アレフとは大きく違うひかりの輪の活動について、評価の声を寄せてくださるようになっています。

      さらに、被害者支援機構は、2009年7月に、アレフが賠償契約締結を拒否する中で、ひかりの輪とは別個に賠償契約を結び、ひかりの輪とアレフとを区別して扱っています。

      最近の報道機関については、事情を正しく理解し、単純に過去のイメージ・当局の見解をそのまま流すのではなく、ひかりの輪とアレフを区別して報道する記事も徐々に増えてきました。

      また、ひかりの輪を扱った多くの書籍・雑誌出版社が、麻原・オウム信仰を脱却したものとして明確に位置づけています。

       その詳細は、上祐史浩オフィシャルサイトの「書評」「識者・著名人の声」などをご覧下さい。



    ■第3 両団体の違いの詳細



    1 会員数


     ◆ひかりの輪 :入会を強調せず

    【会員総数】:約60名

    【会員総数の変化】:2007年の発足以来、微減
       ※入会を強調せず、非会員の参加者を歓迎する方針。

    【うち専従スタッフ(住み込み会員)の総数】:10名前後

    【専従スタッフ総数の変化】:発足以来、約5分の1以下に激減(発足時は56名)
      (※上記の会員数は2022年4月時点)                         

     ◆アレフ : 新規入信が2年間に数百名・激増

    【会員総数】:千数百名(公安調査庁発表より推計)

    【新しい入会者の数】:2011年 → 205名(公安調査庁発表)、
                                2012年 → 約250名(公安調査庁発表より推計)、
                                2011~2012年の2年間で、計約450名

    【出家者総数】:200~300名弱(公安調査庁発表より推計)



    2 経済規模など


     ◆ひかりの輪 :1000万円未満

    【資産】:1000万円未満(流動資産)

    【財務の報告・監査】
      ①外部監査委員会への報告と監査
      ②賠償契約を締結した被害者支援機構への定期的な報告


     ◆アレフ: 約10億円

    【資産】:約10億円
       ※2019年4月の東京地裁判決による事実認定。

    【財務の報告・監査】 賠償契約を拒否し、財務の報告・監査なし。

     

    3 遵法精神の有無


     ◆ひかりの輪 :遵法精神あり

    ①発足以来、事件の謝罪・反省を深め、団体の活動に関係して会員が起訴されたことはない。
    ②上記のアレフの違法行為をインターネット(「アレフ問題の告発と対策」)で告発し解決に努めている。


     ◆アレフ :違反・違法の疑いあり

      複数の法令違反・違法行為またはその疑いがある。

    ①被害者支援機構に対して、賠償契約の不履行を行い、契約更改を拒絶している。同機構の訴えにより東京地裁が2019年4月にアレフに賠償命令(最高裁で確定)。その後も支払いを拒否。

    ②被害者支援機構に著作権が帰属する元オウム真理教の著作物(※)を無断複製・頒布しているとして、同機構から著作権法違反で訴えられている。同機構の申立てにより、東京簡裁で調停が行われ、同簡裁は両者の引き続きの協議を決定。
      (※)同機構によれば、オウム真理教の著作物の著作権は、賠償のために現在同機構に属する

    ③その他の法令違反の疑いもある。
       覆面ヨーガ教室による詐欺的・洗脳的な教化
       アレフを隠した覆面ヨーガ教室で、オウム事件の陰謀論を説いて、
       アレフに入会・布施させる詐欺的・洗脳的な教化・勧誘活動
      各地で勧誘された人の苦情があり、ひかりの輪で相談を受けている。

     

    4  オウム事件の謝罪・反省・賠償

     
     ◆ひかりの輪 :反省のもと、賠償等を実践

       ①麻原の関与を含め、オウムの関与した事件の反省に基づき、謝罪を繰り返し表明し、一部被害者・親族の方と交流。

       ②2009年に、被害者支援機構と、被害者賠償契約を正式に締結し、履行している。

       ③オウム時代の反省・総括を、団体全体で濃密に行い、発表している。

       ●『オウムの教訓サイト』で公表。

       ●さらに、上祐代表および幹部会員が、一般の出版社から書籍を刊行・協力    

        ・上祐史浩・田原総一郎著 『危険な宗教の見分け方』(ポプラ社)

         ・上祐史浩著 『オウム事件 17年目の告白』(扶桑社 2012)
     
         ・上祐史浩・鈴木邦男等著  『終わらないオウム』(鹿砦社 2012)

     
        ・宗形真紀子著
          『二十歳からの20年間――"オウムの青春"の魔境を超えて』(三五館 2010)


        ・『錯乱の時代を生き抜く思想、未来を切り拓く言葉
                 ――鈴木邦男ゼミin西宮 報告集vol.3』(鹿砦社 2014)
           上祐史浩+鈴木邦男(政治活動家)の対談が掲載

         ・『未解決事件 オウム真理教秘録』※上祐史浩のインタビューが掲載
           (文藝春秋社 2012)  〈NHKスペシャル取材班編著〉
         
         ・『思わず聞いてしまいました!!』※上祐史浩の対談が掲載
           〈プチ鹿島・居島一平著〉(スコラマガジン社 2012)
        
        ・『atプラス13』(太田出版 2012)
           上祐史浩+大田俊寛(宗教学者)の対談が掲載


       ・『公安を敗北させた男 国松長官狙撃事件』
         小野義雄著・産経新聞出版2011年
          宗形真紀子のインタビューが掲載。

        ・『オウムを生きて』 (青木由美子編CYZO2010年)
         ひかりの輪の会員2名(スタッフ・会員各1名)のインタビューが掲載

        ・『図説 宗教と事件』 (学習研究社 2009年)
         広末晃敏のインタビューが掲載。

      ④残存するオウム問題(アレフの違法行為・刑の執行)の解決に努めている。


     ◆アレフ: 事件を反省せず、賠償契約を拒絶

       ①事件の反省なし

         (1)一部の信者は、事件は、絶対者の麻原の深い考えによるもので、
             悪とは判断できず、「謝罪・賠償をするのは正しくない」と考え、

         (2)一部の信者は、事件は、麻原が関与を否定しているように、権力
             者の陰謀で、「謝罪・賠償の要求は、本来不当だ」と考えている。

      ②賠償契約の不履行・更改の拒絶

      上記の理由で、賠償契約は不当だが、教団防衛のために(団体が潰されないために)、善意の第三者として一定額の寄付を実行し、機関誌・信者にPRしていたが、2018年以降は、その寄付すら全く行わず、支払いを完全に停止している。

     

    5 思想・教材
     

    (1)団体の基本的性格


     ◆ひかりの輪 :思想哲学の学習教室

      いかなる特定の神・教祖・思想も絶対視しないため、「宗教」「教団」ではなく、
      仏教や心理学等を含めた東西の思想哲学の学習教室。

      探求の対象に、宗教の思想哲学も含まれるが、「宗教一般の本質ないし、あるべき姿を自己の身上に探求し、理性にとって納得のゆくものとして理解しようとする」とされる「宗教哲学」を探求する。


     ◆アレフ :盲信・狂信型の、強度なカルト宗教団体

      麻原を絶対とし、近年ますます麻原回帰し、オウム事件は陰謀であり(オウムの仕業ではない)、自分たちの帰依が麻原の死刑を遅らせる(遅らせている)とまで信じてきた、盲信・狂信型の宗教団体であり、強度なカルト団体。

     

     (2)オウム真理教の教材

     ◆ひかりの輪: すべて破棄・使用せず

      ①オウム真理教の教材は廃棄し、全く使用していない
       (観察処分の審査・裁判・総括用に必須な一部のみ厳重管理)

      ②ひかりの輪の一元論思想に基づく新たな教材を作成・使用している。


     ◆アレフ : 全面的に使用

      ①オウム真理教の教材を全面的に使用(著作権侵害)

      ②サリン事件以前の教材の復刻も行っている。

    (3)麻原の見方


     ◆ひかりの輪 :人格障害・反省できない人物と分析

      カリスマ性はあったが、誇大妄想・被害妄想的な人格障害があり、一連の事件の過ちに至り、反省できなかった人物と分析。
      ※公安調査庁も、
     「ひかりの輪の教義には、外形的には、麻原を崇拝する内容はない」
      と認めている(同庁の観察処分の審議の主張証拠より)。

     ◆アレフ: 神の化身・絶対的存在で帰依の対象
     
      麻原は神の化身・絶対的存在。
      事件にも深遠な意味があると考え、絶対的な帰依の対象とする。


    (4)オウム事件の見方


     ◆ひかりの輪: 許されない事件
     
      自らハルマゲドンを起こし、予言された救世主になろうとした麻原の狂気の誇大妄想・被害妄想が引き起こした事件であり、許されない。
      ※公安調査庁も、「ひかりの輪の教義には、外形的には、殺人肯定の危険な内容はない」と認めている(同庁の観察処分の審議の主張・証拠より)。

     ◆アレフ : 麻原の深遠な考え、国家権力の陰謀

      麻原の深遠な考えによるもので、否定できない。ないしは、国家権力の陰謀である。


    (5)信仰対象


     ◆ひかりの輪: 特定の信仰対象をもたない

      特定の神・教祖を信奉しない=宗教団体ではない、新しい智恵の学びの場。
      個々人の中の神聖な意識を重視して、外側のものは、それを引き出す象徴で学びの対象と見る。


     ◆アレフ :麻原と、シヴァ大神

      麻原とその本体であるシヴァ大神に絶対的に帰依し、それ以外の人物や神仏は、格下または外道・邪教として否定。

     

    (6)世界観・基本的な思想


     ◆ひかりの輪: 一元論

      万物は「輪」のようにつながり一体で、皆等しく尊重すべき。
      (よって、「教団を善、社会を悪」とする善悪二元論を否定)


     ◆アレフ: 善悪二元論

      教団は善業多き魂、社会は悪業多き魂という善悪二元論。
      社会は麻原・教団を弾圧している、という見方。

     

     

    6 組織の透明性・開放性の有無


    (1)行事・教材の公開性


     ◆ひかりの輪:公開

      主要な行事・教材は、インターネットで生中継・録画公開するなどして、会員以外の人も、どこからでも視聴・購入できる。
     非会員も会場(団体施設)で直接参加できる。

      大学等の研究機関や研究者のフィールドワークや、取材も随時受け付けている。


     ◆アレフ: 秘密主義的

      主要な教材は、会員しか購入できず、秘密主義的である。
      一般人は、最初は、教団施設になかなか入れない。
      ※そもそも、その教材の販売は著作権侵害であり、この問題のためか、最近は教材販売がますます秘密主義的に。

    (2)報道機関・地域住民への対応


     ◆ひかりの輪 :対応

      ①広報部が、報道機関の取材依頼に適宜対応、ネットでも情報発信
       
      ②地域住民の、組織的な反対運動がある地域(東京)は、情報提供と
        話し合いの申し入れを継続し、話し合いが実現したケースもあり。

      ③地域住民の方向けに情報発信をするサイトを開設し、
        不安解消に努めている
       (※詳細は「ひかりの輪から、地域の皆さまへ」サイト参照)

     ◆アレフ :拒否や無視

      ①取材依頼を、原則拒否しており(窓口電話がつながらないと多数の報道機関からの苦情あり)、コメントの発信も稀である。

      ②地域住民からの働きかけは、基本的に無視している。



    (3)外部監査の受け入れ


     ◆ひかりの輪: ある

      2011年末、外部監査委員会を、サリン事件被害者の河野義行氏や大学教授などを招いて設置(河野氏は任期満了後辞任、その後、元公安調査官が就任)。

      ①定期的に活動内容を文書・会議で報告し、助言・指導を受け、

      ②各施設で、講話会などの活動や、施設設備の監査を受け、

      ③自己反省法や伝統宗教との交流などの精神的な指導も受けている。
       また、財務に関しては、外部監査委員会に加え、被害者支援機構にも定期的に報告している。


     ◆アレフ :ない

      自主的な外部監査制度などは一切ない。



    (4)活動の形態


     ◆ひかりの輪 :公開型

      団体の公式サイトや、所属と実名を明かした指導員が行っている。


     ◆アレフ :覆面の活動あり

      アレフを隠した覆面ヨーガ教室を幹部信者と一般信者が行っている。
      その中で、オウム事件を陰謀とする洗脳的教化が行われている。



    (5)他宗教・宗派等との交流


     ◆ひかりの輪 :あり・学習実践

      ①ひかりの輪外部監査委員である、伝統宗教の宗教家の
         指導を受けて、修験道を実施

      ②ひかりの輪外部監査委員である大学教授の
         指導を受けて、自己反省法・内観を実施。

      ③聖地巡りの機会等を通じて、正式参拝や祈祷を受ける
        などして、他の宗教・宗派から学び、交流。


     ◆アレフ :なし・排斥

      自教団の教えのみを絶対視するため、他の宗教・宗派は「邪教・外道」として排斥。



    (6)親族との交流


     ◆ひかりの輪 :あり


      ①両親をはじめとする親族などに感謝する、自己反省法・内観を実施。

      ②親族との交流に全く規制はなく、通常の交流をしている。
        専従スタッフのうち親の介護のために、実家に定期的に通っている者もいる。


     ◆アレフ :強く規制

      親族は修行の邪魔、とする教義のもと、特に出家者は親族との交流を強く規制している。

  • アレフ(オウム)脱会支援・入会阻止活動 (2022年3月20日)

      ひかりの輪とアレフが同一団体であるかのような誤解が一部にありますが、実際には、ひかりの輪では、これまで行ってきたオウム時代の反省・総括に基づいて、アレフが現在も引き起こしている様々な問題の解決に努めているのです。

       アレフは、いまだに麻原彰晃を絶対視し、組織の引き締めを図る一方、そのような狂信的信仰に多くの若者を巻き込んでいっています。

      そのため、ひかりの輪では、麻原を絶対視するアレフ(オウム)の教義の誤りを明らかにしたり、アレフの違法・不当な行為を告発したりすることによって、現アレフ信者の脱会を促進・支援するとともに、アレフの実態を知らない人たちが新たにアレフに入信することを阻止するための活動を展開しています。

    具体的には、以下の通りです。


    1,「アレフ洗脳被害者・相談救済窓口」の設置と「アレフ問題の告発と対策ブログ」の運営

       ひかりの輪では、『アレフ洗脳被害者・相談救済窓口』を設置し、「アレフ問題の告発と対策ブログ」を運営しています。

       そして、アレフによる「洗脳的布教・教化活動(アレフと隠した覆面ヨガ教室で人脈を作り、段階的に、オウム事件は何者かの陰謀と思わせ麻原崇拝へと導く手法)」の被害に遭われた方の、ご相談・脱会支援のお手伝いを、団体を挙げて行っています。

       私たちは、自分たち自身が、その洗脳教化から脱却した経験を活かして、これまでに約150名の方のアレフ脱会のお手伝いをしてきました。


    (1)アレフはますます「麻原回帰」しています

       アレフは、麻原を絶対とし、ますます「麻原回帰」しています。

       オウム事件については、表向きは教団の関与を認めつつも、その裏側で、「事件は陰謀だ」とする布教をしています。具体的には、アレフを隠した覆面ヨガ教室を行い、その中で「事件は陰謀だ」と教えた上で、アレフに入会させています。

       オウム事件被害者に対する被害者賠償契約は履行せず、契約を結びなおすこともせず、第三者として寄付をするのみです(寄付ならば事件関与を認めたことにならず、教団防衛になるから)。

       現在、オウム真理教犯罪被害者支援機構から、賠償金の支払い(最高裁によってアレフの支払い義務が確定)と、オウム真理教の教材(著作権が支援機構にある)を無断で販売しないよう求められていますが、応じていません。

       その一方で、億単位の資産を貯え、都内に大型のビル物件を取得し、資金力も急増させています。アレフ信者が運営する覆面ヨガ教室の受講料は、実質的にアレフ信者の資金となっています。


    (2)アレフの覆面ヨガ教室の被害者から、ご相談が増えています。

       アレフと隠した覆面ヨガ教室に入ってしまい、途中で疑問を感じた方のご相談者からの情報が寄せられています。情報によれば、アレフの素性を隠した人から、SNSや、書店の精神世界コーナー、スピリチュアルマーケットなどのイベントで、「ヨガ教室」の勧誘を受けたというケースが多く見られます。

       そのヨガ教室では、

       ①ヨガの体操だけでなく、チャクラとクンダリニー理論、輪廻転生、
          チベット仏教などの勉強会がある。
       ②世界の陰謀を紹介する数十時間のビデオプログラムがある。
       ③数ヶ月~1年ほどで、「第二段階」「上級の道場」を紹介され、
        「アレフ」と明かされる。

       主な場所は、以下です。

       北海道・札幌 /東京・西荻窪・中野
       大阪・今里/愛知・名古屋/石川県・金沢

       この過程でご相談いただければ、早めにその洗脳的教化から脱却可能ですので、少しでも怪しいと思ったら、ぜひご相談ください。

       「アレフ」と明かされた後の洗脳的教化の内容は、

       ① 一連の重大なオウム事件は、実はオウムが起こしたものではなく、
             オウムが起こしたと見せかける何者かによる陰謀である。

       ② 教祖・グル(導師のこと)である麻原彰晃は、絶対的な神のような存在である。

    といったものです。

       これを信じて、入信してしまった人数が数百名出ています。そして、入信した後で脱会しようとすると、

       ③ アレフを脱会すれば、グルとの縁が傷つき、地獄などに落ちる。

    と言われて、脱会を躊躇してしまうというケースが多々見られます。

       この件でお悩みの方、もしくは、そういった被害に遭われている方をどうにかしたいと思われている方、ぜひとも、お気軽にお問い合わせください。


    (3)アレフに入信してしまった方へ

       現在、アレフの幹部から、オウムや麻原のことについての情報を得て、それを信じてしまった方にお伝えしたいことがあります。

       ひかりの輪の中には、オウムの幹部だった者が数名おります。中でも、上祐代表は、オウム真理教時代に、元教祖・麻原の有数の高弟だった者であることから、オウム事件や修行の裏表を、アレフの幹部よりも、知り尽くしています。

       そうして、知り尽くしていたからこそ、葛藤が生じ、ついには脱却を果たすことができたのです(※上祐史浩のオウム時代の総括文書はこちら)。まずは、現実・真実を知ることがとても大切なことであり、お伝えしたいと思っています。ぜひとも勇気を持ってお問い合わせをいただけるよう、心よりお待ちしています。

      また、「アレフから脱会したいのに、アレフの幹部らの威圧によって、それがしにくい」と感じられている方も、どうぞご連絡ください。スムーズに脱会することができる方法をお教えすることができます。

      これまでにも、脱会したいのに幹部の威圧によって、脱会できずにいた方々のお手伝いをしてきましたが、みなさん無事脱会できています。

      なお、ひかりの輪に入会しなければならないなどということは、全くありませんので、どうぞ安心してご連絡いただけたらと思います。


    (4)アレフからの脱会等ができた人のケース

      以下は、アレフによる洗脳教化を受けた方たちが、当団体の支援によって、アレフから脱会したり、アレフへの入会を思いとどまったりしたケース等をご紹介します。

    ①Aさんのケース

      アレフに入会したものの、オウム事件を含めて教団に疑問を持ち、脱会したいと思った。しかし、その後長期にわたって、アレフ幹部に引き留められ、「脱会してグル(麻原)との縁を傷つけると地獄などに落ちる」などと脅された。ひかりの輪に連絡を取り、アレフの問題点を理解し、威圧にも屈しないようになり、脱会することができた。

    ②Bさんのケース

      アレフの信者と幹部に勧誘され、その中で「事件にはオウム(現アレフ)は関与していない。麻原は最終解脱者である」などと洗脳されて、入会することを決めた。その直後、ひかりの輪に連絡を取り、事件を含めたオウム・アレフの真実を知って、すんでのところで入会せずにすんだ。

    ③Cさんのケース

      アレフの信者だったが、おそらくはスパイと疑われたためか、セミナーに参加している中で、突然幹部に呼び出され、身体や物品を強制的に検査され、早朝にもかかわらず、追い出された。その後、ひかりの輪に連絡を取って、徐々にオウム・アレフの問題を理解する中で、脱会するに至った。

    ④Dさんのケース

      アレフの信者だったが、アレフからは「事件は陰謀である」とずっと聞かされ、疑問を持った。ひかりの輪と連絡を取り、指導員と話したり、その総括文書などを読んで、オウムに関して正しい情報を得て、教材を破棄して、脱会することができた。

    ⑤Eさんのケース

      現在もアレフの信者だが、事件を含め、オウムに疑問を持っている。ひかりの輪の指導員と連絡を取り、一般の施設で接触して、オウムに関して、より正しい知識を学んでいる。アレフの中では、新しい信者が事件を知って脱会するのを防ぐために、事件は陰謀であるという話をするなど、アレフ幹部が信者を洗脳しているのが心配という。

    ⑥Fさんのケース

      つい先日までアレフの信者だったが、脱会した。今は宗教から離れたいと思っているが、ひかりの輪には、アレフの中で洗脳されている人達を救ってほしいと思って、ひかりの輪の活動に期待するメールを送ってきている。

      少しでも、アレフに疑問を感じた方は、まずは取り急ぎのご連絡を、心よりお待ちしております。多くの方が、ちゃんと脱却できていますので、今、そうした苦しみの中にある方がいらっしゃいましたら、どうぞご連絡ください。何らかのお手伝いをさせていただけると思います。


    2,オウム脱会支援・入会阻止の主な活動


      麻原を盲信したり、オウム事件を宗教的に肯定したりする「オウム信仰」から、一人でも多くの現アレフ信者・元オウム信者が脱却できるよう、「ひかりの輪」では、下記のようなさまざまな脱却のための支援活動を行っています。

      元オウム信者には、現アレフ信者だけでなく、脱会後、一人になってもオウム・麻原信仰から脱却できずに苦しむ「脱会信者」なども存在しています。その現状の一端は、書籍『オウムを生きて』(2010年3月発売:ひかりの輪が制作に一部協力)の、リアルなインタビューからもうかがい知ることができます。

      以下、現在までに行っている主な活動をご紹介します。

    (1)サイトや出版を通じた呼びかけ

      新たに開設したサイト「オウムの教訓--オウム時代の反省・総括」「アレフ問題の告発と対策」や、負の教訓と、その抜け出し方を記した書籍『オウム事件 17年目の告白』(上祐史浩著・扶桑社)、『終わらないオウム』(上祐史浩ほか著・鹿砦社)、『危険な宗教の見分け方』(上祐史浩ほか著・ポプラ社)『二十歳からの20年間- "オウムの青春"という魔境を超えて』(宗形真紀子著・三五館)の出版などを通じて、オウム信仰の過ちとその脱却の必要性を、アレフ信者・元信者に広く呼びかけています。

      現に、それらを見た複数の信者・元信者から、感想や問い合わせが寄せられています。

      「事件のことをどう考えていいか迷っていたが、総括を見て納得できた」と述べ、オウム信仰から脱け出した元信者たちもいます。


    (2)アレフ信者の脱会支援

      ひかりの輪の活動の一環として、アレフの信者を説得し、アレフからの脱会に導いています。説得の際には、当団体が作成したオウム総括資料などの当団体資料・教材を見せて、脱会へと導いています。


    (3)主に若者を対象としたアレフの入会勧誘活動への対応(アレフへの入会阻止活動)

      アレフによる入会勧誘(麻原信仰への勧誘)の対象となっている若者が、当団体にコンタクトしてくる場合、アレフへの入会を防止すべく、麻原やオウム信仰の問題点を伝える等しています。この活動は、当団体にコンタクトしてくる人以外には実行不可能なため、限界がありますが、懸命な説得により、アレフへの入会を断念した実例があります。


    (4)アレフ脱会信者(脱会したが信仰を脱けきれない者)の支援

      「アレフ組織からは脱会したものの、オウム信仰からは脱けきれない」という悩みを持つ者が多くいますが(これを当団体では「脱会信者」と呼びます)、彼らはその悩みをオウム経験者にしか相談できない場合が多々あります。
      社会に出て後は、元アレフ信者であることを隠して生活しているために、元オウム信者特有の悩みを、身近な人に相談できないのです。
      そこで、当団体では、こうした彼らの問い合せに、メールや面会によって対応し、麻原やオウム信仰の実態を伝えたり、脱却を可能にする心の持ち方を教えたりしています。


    (5)オウム信仰の後遺症での心身症・うつ病に悩む者へのケア

      過去のオウム信仰の精神的な後遺症として、心身症・うつ病の傾向に悩む者の回復のため、生活支援・治療の支援を行っています。


    ※以上にご紹介したアレフ(オウム)脱会支援・入会阻止活動については、こちらの記事にも詳細を記していますので、ご覧ください。

  • よくある質問(過去のオウム関連事項について) (2022年3月20日)

    1,ひかりの輪は、オウム真理教の後継団体ではないのですか?

       ひかりの輪は、オウム真理教(以下「オウム」と略記します)の後継団体ではありません。
       逆に、オウムからの脱却を果たし、オウムに反対している団体です。
       そもそも後継団体というためには、オウムの教祖・麻原彰晃が作ったオウムの教義を信奉し、その教義を広めるための活動をしていなければならないはずです。
       しかし、ひかりの輪には、「麻原を個人崇拝し、殺人を肯定するという特徴を有するオウムの教義」などは、一切存在しておらず、逆にその危険性や過ちを強く訴えています。
       そして、オウムの教義をいまだに流布しているオウムの後継団体アレフの活動を阻止すること等によって、オウムの教義の流布を防いでいるのです。
       この経緯については、記事「脱麻原・脱オウムの諸改革」「反麻原・反オウム(アレフ)の諸活動」等をご覧ください。
       また、オウムの後継団体というからには、宗教団体でなければならないはずですが、ひかりの輪は、後に述べるように、宗教団体ではなく、思想哲学の学習教室です。


    2,ひかりの輪は、オウム真理教の後継団体であるアレフと、どのように違うのですか?

       オウムの後継団体アレフは、いまだにオウムの教義を信奉しています。つまり、麻原を絶対的存在として神格化して崇拝し、殺人を肯定する教義を信じて、サリン事件などの一連のオウム事件を宗教的に肯定しています(なお、一部の新入会員に対しては、「オウムは事件に関与しておらず、国家権力の陰謀によって陥れられた」と、虚偽の説明をしています)。そのために、事件の被害者への賠償金をお支払いする契約の締結を拒否しているほどです。
       そして、社会に対して敵対的な姿勢を強め、より閉鎖的な方向に進んでいます。
       ひかりの輪は、そもそも、麻原への個人崇拝や一連のオウム事件の過ちを直視し、それを反省した者たちがアレフを脱会して結成した団体ですので、このようなアレフの在り方に対しては根本的に反対しており、その活動をあらゆる形で阻止することに努めています。
       このような、ひかりの輪とアレフの違いの詳細については、記事『ひかりの輪とアレフの大きな違い』をご覧ください。


    3,ひかりの輪は、麻原について、どのように考えているのですか? 「麻原隠し」(ひそかに麻原への信仰をしているが表面上は隠していること)をしていると公安調査庁が言っていますが、本当ですか?

       ひかりの輪は、麻原を信仰していませんし、逆に、麻原のことを、その生い立ちや身体障害等に起因した人格障害者であると位置付けています。具体的には、麻原は、心理学用語でいうところの「空想虚言症」「誇大自己症候群」であり、そのような人格障害が、国家権力から不当に攻撃されているという過度の被害妄想を生み出し、一連の事件を引き起こしていったと考えています。
       このような麻原の精神病理の詳細については、記事『心理学的な視点に基づく、麻原・弟子・現代社会の人格分析』をご覧ください。
       麻原が潔く自らの過ちを認めて、アレフ信者に対して麻原への帰依を捨てるよう呼びかけるのが望ましかったのですが、それがなされないまま死刑執行に至ってしまいました。
     その他、公安調査庁が「麻原隠し」と述べていることへの反論については、こちらの記事もご覧ください。


    4,ひかりの輪は、地下鉄サリン事件などのオウム事件について、どのように考えているのですか?

       誇大妄想や被害妄想にとらわれるという人格障害者であった麻原が、自らが支配する国家の建設を妄想し、その実現を妨害しようとしているように見えた社会に対して引き起こした、決して許されるべきではない非道な犯罪であったと考えています。
       そして、その責任は、麻原のみならず、麻原に自らの欲望を投影して、麻原と同調した弟子達や、そのような教団を支えた多くのオウム信者にも帰せられるべきだと考えています。
       ひかりの輪の中でも、かつてオウム信者であった者につきましては、深くその責任を感じ、償いのためにも、二度と同様の事件が起きないように反省・総括を深め、社会に教訓を残す活動に努めるとともに、被害者の皆様への賠償金のお支払いに全力を挙げさせていただく所存です。


    5,ひかりの輪は、オウム事件の被害者に対して賠償金を支払っているのですか?

       ひかりの輪は、2009年7月6日、オウム真理教の犯罪被害者の方々による組織である「オウム真理教犯罪被害者支援機構」との間で、被害者賠償金をお支払いする契約を締結しました。
       この契約では、従来破産債権者としての届出を行っていた被害者の方々だけではなく、被害者救済法に基づき国からの見舞金を受け取る資格がある被害者のうち、破産債権者としての届出を行っていなかった被害者に対しても、賠償金をお支払いすることをお約束いたしました。
      この契約等に基づいて、ひかりの輪が2023年6月末までにお支払いしてきた賠償金の総額は、約5800万円となります(最新のお支払い状況は、こちらの記事をご覧ください)。
       賠償契約を締結した2009年から2014年までの間の、ひかりの輪の資産と賠償の額をグラフにすると、以下の通りとなります。


     
      ご覧の通り、ひかりの輪は、厳しい財務状態の中で、資産を取り崩しながらも、契約が義務付けている年間300万円以上の賠償を維持しています。 
       現在、オウム真理教犯罪被害者支援機構との間で正式に賠償契約を締結しているのは、ひかりの輪だけです。
       アレフについては、2000年(上祐がまだアレフに在籍していた時代)に賠償契約を締結しましたが、2009年頃から契約の履行を拒否しているため、被害者支援機構が裁判所に訴えたところ、約10億2500万円を被害者支援機構に支払うよう、アレフに命じる判決が確定しています。
       また、アレフを脱会した他の個人・グループについては、たとえオウム事件当時の幹部であっても、賠償契約を締結していません。
       ひかりの輪の現会員のうち、オウム真理教時代に会員だった者は、オウム真理教の全会員の1パーセントにも至りませんが、すでに、オウム真理教が負った被害者賠償債務の1パーセントを大きく上回る額を(2000年からのアレフ時代を含めれば)お支払いしています。
       ひかりの輪は、あらためてこの場を借りて、アレフをはじめとするオウム事件に責任を負う全ての者が、被害者賠償契約の締結と実行を通じて、賠償に努めるよう呼びかけたいと思います。

       なお、こちらの記事には、賠償に関するより詳しい説明に加え、以下のご質問の答えがありますので、あわせてご覧ください。
       1.被害者は賠償ではなく解散を求めているのではないか?
       2.哲学教室の活動ではなく、一般の就労で賠償はできないのか?
       3.解散して個々人が賠償できないのか?


    6,ひかりの輪は、近ごろ資産を急速に増大させて数億円の資産があると一部で報じられていますが、本当ですか?

       本当ではありません。
       ひかりの輪の資産は、約1000万円ほどです。
       資産を急増させているとか、資産額が数億円にのぼっているなどの話は、オウムの後継団体アレフについてのことです。
       公安調査庁は、ひかりの輪も巨額の資産を持っているかのように世間に印象づけるために、「アレフとひかりの輪を合わせて資産が数億円」などと発表していますが、その大部分はアレフが占めています。
       ひかりの輪は、その資産の多くの割合を、被害者組織への賠償金お支払いに充当していますので、資産は減少傾向にあります。その具体的なデータについては、上記質問5に掲載したグラフをご覧ください。


    7,ひかりの輪は、近ごろ多数の若者を入会させて会員数を増大させていると一部で報じられていますが、本当ですか?

       本当ではありません。
       多数の若者を入会させて会員数を増大させているのは、アレフのことです。
       公安調査庁は、ひかりの輪もそのような傾向にあると印象づけるために、あえてアレフと混同させるような内容の情報を発表しています。
       そもそも、ひかりの輪は、開かれた団体として、入会しなくても誰もが活動に参加することができるため、入会の勧誘を行っていません。実際に入会せずに参加される方が多くいます。もちろんアレフのように大学で学生をターゲットにした入会勧誘活動などは行っておりません。それもあって、会員数は発足時から減少を続けています。その具体的なデータは、以下の通りです。

       なお、ひかりの輪は、アレフが「オウム事件は国家権力による陰謀」などという虚偽の情報に基づいて多くの若者を勧誘し入会させている現状を問題視しており、専用のブログを開設して、その勧誘活動を阻止すべく努めています。


    8,ひかりの輪は、宗教ではないのですか?

       ひかりの輪は、宗教ではありません。
       ひかりの輪は、オウム真理教が、崇拝対象(麻原)に対する疑問や理性による考察を許さない絶対的な信仰を信者に要求し、行きすぎた盲信を伴った過ちに対する反省に基づき、宗教の在り方を理性的に追究する宗教哲学の実践をしています。
       このようなひかりの輪の基本的性質については、上祐代表と共著のあるジャーナリストの田原総一朗氏も認めています。


    9,ひかりの輪は、オウム真理教の出家制度を維持していないのですか?

       上記のとおり、そもそも、ひかりの輪は宗教団体ではありませんので、宗教上の概念である「出家」に基づく制度は存在していません。
       現に、オウムにおいては、家族との交流を断ち、全財産を教団に布施して集団居住する出家制度がありましたが、ひかりの輪においては、家族との交流は自由であり(むしろ内観の実践に基づき交流を推奨している)、両親等の介護が必要な場合は団体が支援し、また全財産を団体に提供する義務はなく私有財産の所有を認めており、出家制度を特徴付ける性質を有していません。


    10,ひかりの輪は、地域住民やマスコミ、会員の家族などの一般社会に対して、どのような対応をしていますか?

       ひかりの輪は、地域社会の皆様の不安を解消するために、地域の皆様との対話や情報公開に努めています。
       また、マスコミの取材にも可能な限りご対応、団体の現状を広く社会に明らかにしています。
       さらに、会員のご家族に対しては、両親等への感謝の心を培う自己反省法「内観」の実践を通じて、感謝をもって積極的に交流することを推奨しています。
       このように、ひかりの輪は、社会に対して透明で開かれた団体づくりに努めてきました。


    11,ひかりの輪は、第三者からどのような評価を受けていますか?

       ひかりの輪は、「ひかりの輪外部監査委員会」による数年間の監査を受けてきましたが、その監査結果は、ひかりの輪には観察処分の適用要件がない(すなわち、ひかりの輪が麻原の影響を受けたオウムの後継団体ではない)ことを示しています。
       また、多くの識者からも、ひかりの輪がオウムに対する真摯な反省に基づく活動を展開していることを評価され、一般の出版社からも、ひかりの輪の理念を伝える出版にご協力をいただくなどの評価をいただいています。


    12.なぜ宗教で過ちを犯したのに、また宗教をやるのですか?

       まず、繰り返しになりますが、ひかりの輪は、宗教ではありません。
       東西の思想哲学の学習教室であって、心の幸福や、心の問題の解決などのために、仏教哲学や心理学を学ぶ場です(ウィキペディアなどでは仏教系哲学サークルと紹介されています)。特定の神仏・人間・指導者・経典・思想などを絶対視することは一切ありません。
       そして、ひかりの輪の活動目的の一つは、オウム真理教のような宗教の広がりを防ぐことです。そのためには、これが心の問題であるがゆえに、それを実体験した者でなければ、その原因と、その脱却や予防の方法がわからない部分があると考えています。
       すなわち、私たちは、オウムを実体験し、抜け出した経験を活かし、様々な心の問題・苦しみを抱える人が多い現代社会において、オウムやそれに類する宗教が不要となるような思想・哲学を創造し、普及したいと考えているのです。
       これは、いわば感染症の予防や治療と似ています。一度感染症に罹って、それが治ると、二度と感染しない抗体ができます。この抗体のメカニズムを基にして、まだ感染したことがない人の予防に役立つ「ワクチン」もできます。このワクチンは、感染源の毒と全く無関係ではなく、毒を無毒化して出来るものです。
       私たちの場合は、オウムの経験とその脱却の過程の様々な葛藤・探求を基にして、オウム的な宗教の持つ弊害を有さずに、同時に様々な心の問題を解決する効果を持つ思想・哲学(仏教哲学・心理学・宗教の裏表や危険性など)を普及しています。これをたとえて表現すると、オウム的な宗教を無毒化したワクチンの普及であって、これにより、オウム的な宗教への感染の予防につながると考えています。
       また、予防だけでなく、実際に感染した人の治療もしています。すなわち、今なお麻原を絶対として信仰し、オウム事件を陰謀と主張する詐欺的・洗脳的な教化によって多くの新しい信者を獲得しているアレフ(旧オウム真理教)に入信した人の脱会支援を、団体組織を挙げて行っています。
      専用のサイトを立ち上げ、相談窓口を設置し、各地の担当者が、アレフ信者や、家族がアレフに入信した方々の相談を受け付け、これまで100名を超える方の脱会支援に成功しています。これに関連して、入信の予防活動も行っており、サイトに加え、報道機関と協力し、アレフの問題を告発する番組などを作成しています。
       こうして、ひかりの輪は、オウム的な宗教の広がりの予防と、それに感染した人への治療を行うための思想哲学の団体です。


    13.オウム事件があったのに、なぜ団体を解散せずに維持しているのですか?

      まず、ひかりの輪は、アレフ(旧オウム)を脱会した者が創設した団体ですが、オウムの後継団体ではなく、オウム信仰・教義・体制を一切捨て、それとは全く異なる性質を持った、東西の思想哲学の学習教室です。
       次に、オウム事件の過去を持つ私たちが、個々人ではなく団体として活動することを選択した、主な目的は以下の通りです。

    (1)オウム的なものに対するワクチンの普及

       オウム(現アレフ)や、類似するオウム的な妄信の広がりを抑制・根絶するには、それに代わる精神的な幸福を得る健全な思想・哲学・実践法を持った団体・コミュニティが必要で、それをひかりの輪は目指しています(詳しくは、こちら)。
       その中で、アレフ(旧オウム)の広がりの未然防止や、入会者の脱会支援、その布教組織の解体に向けた努力を行っています(詳しくは、こちら)。
       こうした活動のためには、団体組織が不可欠です。

    (2)オウム事件の賠償の実行

       ひかりの輪は、オウム事件の被害者・遺族の方に賠償金をお支払いする契約を締結しています。被害者の中には、団体解散を求める方もいますが、賠償を求める方もいて、最終的な判断として、被害者団体側からの要請を受け、契約を締結しました。
       この賠償の実行には、団体が不可欠です(詳しくは、こちら)。

    (3)身寄りのない高齢者・精神疾患者の保護

       オウム時代に教団に出家した高齢者・精神疾患者を団体が保護していますが、このために団体組織が不可欠です。

  • オウム事件被害者組織と締結した賠償契約の内容 (2022年3月14日)

     2009年7月6日、当団体「ひかりの輪」は、オウム真理教犯罪被害者支援機構との間で、新たに被害者賠償契約を締結いたしました。

     当団体は、2007年5月の発足以降、事件被害者への賠償金配分を行ってきたオウム真理教破産管財人に対して、賠償金のお支払いをしてまいりました。

     しかし、2009年3月にオウム真理教破産手続が終結し、破産管財人が辞任したことにともない、賠償金配分を行う主体がオウム真理教犯罪被害者支援機構に変わりました。

     そこで、当団体は、同支援機構と新たな契約を締結した次第です。

     契約の全文は末尾に掲載しますが、その主な趣旨は以下の通りです。

    ●オウム真理教破産手続の際にすでに届出を行っていた事件被害者・遺族に対するオウム真理教の債務を当団体が引き受けたことを確認するとともに、被害者・遺族がこれまでに受け取った給付金や、昨年制定された法律に基づき、国から受け取る予定の見舞金等を差し引いた残金を当団体が同支援機構に支払うこと。〔第1条〕

    ●国からの見舞金を受け取る資格がある被害者のうち、破産手続の際に届出を行っていなかった被害者に対するオウム真理教の債務も、当団体が引き受けるとともに、今後被害者が受け取る予定の見舞金を差し引いた残金を当団体が同支援機構に支払うこと。〔第2条〕

    ●今年(2009年)の支払目標は800万円とし、最低でも300万円以上は支払うこと。来年以降は、当団体の支払状況を見ながら、毎年話し合って決めていくこと。〔第3条〕

     以上が契約の主な趣旨です。

     なお、当団体の支部等で収益事業を行っている「SPSC有限責任事業組合」も、当団体の連帯保証人として契約に加わっております。

     当団体では、この新たな賠償契約に基づき、被害者・遺族の皆さまに対する謝罪の気持ちを心に刻むために、そして宗教テロの繰り返されない社会をつくるお手伝いをしていくために、これまで賠償に努めてきましたが、今後もいっそう努めていきたいと考えております。


    ※以下、賠償契約書の全文です。

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――

                   合 意 書 


    サリン事件等共助基金(運営委員長阿部三郎)を甲とし、オウム真理教犯罪被害者支援機構(理事長宇都宮健児)を乙とし、ひかりの輪を丙とし、SPSC有限責任事業組合を丁として、甲、乙、丙及び丁は、本日下記のとおり合意した。

                     記

    第1条(届出被害者等の損害賠償債務の引き受け)

    1 甲、乙及び丙は、丙が「オウム真理教に係る破産手続における国の債権に関する特例に関する法律(平成10年法律45号)」で定められた損害賠償請求債権者である被害者及び遺族(以下、両者を併せて「届出被害者等」という。)に対するオウム真理教の損害賠償債務を引き受けたことを確認する。

    2 前項の債務の履行のため、丙は、乙に対して、各届出被害者等が有する損害賠償請求債権額からオウム真理教破産手続の配当金と甲よりの配分金及びオウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律(平成20年法律第80号、以下、「救済法」という。)の給付金の合計額を控除した損害金残金の総額を支払う義務のあることを認める。

    第2条(未届被害者等の損害賠償債務の引き受け)

    1 乙と丙とは、丙が届出被害者等以外のサリン事件等の被害者(救済法による給付金支給対象者で且つ破産手続において債権届出を行わなかった者をいう。以下、「未届被害者等」という。)に対するオウム真理教の損害賠償債務を引き受けることを本日合意した。

    2 前項の債務の履行のため、丙は、乙に対して、各未届債権者等が有する損害賠償請求債権額から救済法の給付金(国が未届被害者等に対し救済法の給付金を支給したため、国が丙に対し取得した損害賠償請求債権)を控除した損害金残金の総額を支払う義務のあることを認める。

    第3条(損害金の支払時期及び方法)

     丙は、乙に対し、第1条2項及び前条2項の損害金残金の合計額を次のとおり分割して、下記銀行口座に振り込み支払う。但し、振込手数料は丙の負担とする。

    (1)平成21年分として、最低300万円以上支払う義務があるものとし、努力目標を800万円とする。但し、同年中に丙が甲に支払った額を算入するものとする。
    (2)平成22年以降分については、一年毎に、乙と丙は、丙の弁済の実情を踏まえながら協議を行い、各年の支払いの義務となる最低の金額及び努力目標を決定し、丙はそれを履行する。

                    記

          みずほ銀行   銀座通支店(店番号028)
          普通預金口座
          口座番号「2110016」
          名義人「オウム真理教犯罪被害者支援機構」

    第4条(報告義務)

     丙は、乙に対し、1年間に少なくとも2回以上の割合で、丙の財務状況など会計報告を書面で行う。

    第5条(損害賠償額の確定)

     救済法による給付金支給手続が終了したのち、乙は、丙に対し、第3条で定める丙が乙に対して支払うべき損害金残金の合計額を確定して通知する。

    第6条(連帯保証)

     丁は、乙に対し、丙の乙に対する第3条の損害賠償金支払債務を、丙に連帯して保証する。

    *注記
     丙は、本合意を締結するにあたり、甲及び乙に対し、下記のとおり要請したので、その要請事項を注記する。

                      記

     丙が、本合意書第1条第1項において、届出被害者に対するオウム真理教の損害賠償債務を引き受けたことを確認したのは、届出被害者への本件支払手続を迅速かつ効率的に行うためであって、これをもって宗教団体アーレフ代表派と丙とが同一組織であることを認めるものではない。
     丙は、甲及び乙に対し、上記事実を確認するよう要請した。甲及び乙は、上記のような事実の確認をする手段は持たないので確認できないが、丙が上記のように要請した事実は認める。
     なお、丙は、破産者オウム真理教破産管財人弁護士阿部三郎と宗教団体Aleph(アレフ)との間の平成12年7月6日付け合意書第一において、宗教団体Aleph(アレフ)が同破産管財人に対し破産者の残債務全額を引き受けたことに基づき、丙が本合意書第1条1項で債務の引き受けを確認したことを認めるが、その債務の支払い方法は、本契約に基づくものとする。

     甲乙丙丁及び立会人は、本合意が真正に成立したことを証するため、本書面を5通作成し、甲乙丙丁及び立会人が署名捺印の上、各当事者及び立会人が1通ずつこれを所持する。

                           平成21年7月6日
    甲(サリン事件等共助基金)
       運営委員長 阿部三郎(印)

    乙(オウム真理教犯罪被害者支援機構)
       理事長 宇都宮健児(印)

    丙(ひかりの輪)
       代表役員 上祐史浩(印)

    丁(SPSC有限責任事業組合)
       組合員 上祐史浩(印)

    立会人(破産者オウム真理教破産管財人であった者)
       弁護士 阿部三郎(印)