オウム真理教の清算
オウム真理教時代の清算についてのコーナーです

2023年6月

  • 松本サリン事件から29年目を迎えて (2023年6月27日)

                   ひかりの輪元オウム真理教信者一同
                   2023年6月27日

     本日をもって1994年に発生した松本サリン事件から29年目を迎えるに際して、ひかりの輪会員のうち、事件当時オウム真理教の信者だった私たち一同は、事件で犠牲になられた8名の皆様、負傷をされた600名以上の皆様、そして被害を受けられたすべての皆様に対して、当時のオウム教団に所属した者として、あらためて深くお詫びを申し上げます。

     当団体の中には、松本サリン事件に直接関与した者は一人もおりませんが、私たちは、被害者の皆様に多大な苦しみを与えてしまったオウム教団を、かつて物心両面で支えていたのであり、一つ間違えれば麻原をはじめとする実行行為者と同じ罪を犯す恐れがあったという意味では、反省と償いを深めていかなければならない立場にあると考えております。 当団体ではおおむね3ヶ月ごとに慰霊行事を執り行ってまいりましたが、6月21日にも慰霊行事を執り行い、松本サリン事件に思いをはせ、償いの決意を新たにさせていただきました。  

     2018年の7月には、麻原などの実行行為者の一部への死刑が執行され、オウム事件に関して大きな節目の年になりました。また、2020年の11月には、被害者の皆様への賠償金のお支払いを拒否してきたアレフに対して、支払いを命じる判決が最高裁判所の判断によって確定しました。

     しかし、アレフは、それでも賠償金の支払いを拒否し続け、支払いを逃れるためと思われる公安調査庁への資産の不報告を続けてきたことから、今年の3月13日以来、再発防止処分が適用されています。この処分によって、アレフは、寄付の受領と施設の使用が禁止されており、被害者賠償がますます停滞する状況となっています。

     これを受けて、当団体「ひかりの輪」は、賠償の停滞を少しでも和らげるために、2009年に被害者団体と締結した賠償契約の履行に関して、今年の3月以降は、契約上の義務である年間の賠償額を上回る額をお支払いして、賠償金支払いを増額する努力を続けさせていただいております(具体的には、2014年から今年2月までは毎月25万円のお支払いでしたが、今年3月以降は毎月50万円に増額させていただいております)。

     また、当団体の創設メンバーは、16年前の2007年にアレフを脱会・独立して以来、アレフ信者の脱会支援を行ってまいりましたが、アレフの活動を大幅に規制する今回の再発防止処分の適用を受け、脱会支援活動をいっそう深めたいと考えております。

     当団体としましては、アレフに対して、これまでも賠償契約を早期に履行するよう要求してきましたが、この場を借りて、アレフはもとより、特に1995年当時オウム真理教信者であった方々に対しても、あらためて賠償金のお支払いを呼びかけるとともに、そのための最善の努力を続けていきたいと考えております。

     もとより、いかなる活動をもってしても、亡くなられた方々が戻ってこられるわけでもなく、失われた時間が取り戻せるものでもない以上、とうてい償いを尽くせるものではございませんが、せめて二度と同様の事件が起きることのないよう、微力ながら尽力してまいりたいと考えております。

     最後に、あらためて、犠牲者の皆様のご冥福をお祈りし、心身に傷を負われた方々が1日も早く癒されますよう、お祈り申し上げます。