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ヨーガ行法の心理学

4.禁戒と心のコントロールの関係
(2015年12月17日)

                                                                                    山口雅彦

それでは、五つの戒と心のコントロールと関連した意味合いをみていきましょう。

①非暴力
他を傷つける心の状態は元々不安定です。他を傷つけるときは、背景に怒り・憎しみがあります。怒りや憎しみに支配された心は調御しがたく、そして、暴力をふるうことにより、心はさらに昂ぶり、後悔の念が生じたりしていっそう不安定になります。

不安定な心の状態では、心をコントロールすることは難しいでしょう。

それとカルマの法則で考えると、他の魂に苦しみを与えることで自分も苦しみを味わうことになります。ですから、そのときに心が不安定になるだけでなく、後で苦しみが生じたときにも心は安定しない状態になってしまいます。


 ②正直
嘘をつくと、いつ嘘がばれるかと不安・心配になります。落ち着きません。また、自分をよく見せたいという心の働きにより物事を覆い隠すエネルギー(ヨーガではタマスと言う)が増大され、自分自身も物事を正しく見ることができなくなってしまいます。それによって、判断を誤ってしまいます。また、自分自身の心が曇りますから自分の心の状態がわからず、コントロールしづらくなります。


③不盗
盗みをすれば、それが見つからないかとびくびくして、不安・心配が生じ、心は不安定になります。また、他の物を盗み、他に物質的減少を生じさせることによって、結果的に自分の物質的減少を生むことになります。それによって、心はより物質に囚われ自分の心に対する理解はできなくなっていきます。

④禁欲
必要以上の性的行為あるいは、配偶者以外の相手との性的行為の禁止のことです。性的エネルギーは生命エネルギーであり、浪費して疲弊すると意志の力が弱まります。また、心が不安定になります。心が不安定になり意志の力が弱まると心のコントロール、自己コントロールができにくくなるのはわかると思います。
また、ヨーガでは性エネルギーを純化させて覚醒へと導きます。ですから、ヨーガでは性エネルギーの保全が大切になります。


⑤不貪
欲張らないということ。欲求が多く、強いと苦しみも大きくなり、心のコントロールがしづらくなります。欲求が生じると、それを満たすための行為を行いだし、心は欲に縛りつけられ自由を失う=コントロール不能になります。そして、欲求が叶うかどうかという不安・心配が生じます。そして、欲求が叶わなければ苦しみを味わうでしょう。欲求を阻害した人に対して怒りも生じるでしょう。また、叶ったとしてもいつかはその状態は変化し壊れ去ってしまいます。そのとき、苦しみが生じることになります。ですから、必要以上の欲は少なくしていくことが幸福への道なのです。

このように、禁戒とは私たちの心を不安定にしないためのものなのです。けして、窮屈で、また、人生をつまらないものにしていくものではなく、逆に安定した豊かさを与えてくれるものです。それは、心に翻弄される苦しさを考えてみればわかるでしょう。


『ヨーガ.スートラ』には「ヨーガの諸部門を実践していくにつれて、次第に心のけがれが消えていき、それに応じて英知の光が輝きを増し、終には弁別智が現われる」(Ⅱ-28)と、ヨーガの八部門の根本的な意味について述べています。

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