心理学講義の教本

第55回心理学講義 『悟りの脳科学』

※教本の一部をご紹介します。>>>教本の購入はこちらから

※心理学講義の動画販売は>>>こちらから

 

 昨年の7月、宗教体験の脳科学的研究について心理学講義で取り上げたが、今回も同じアンドリュー・ニューバーグ博士の研究をご紹介する。アンドリュー・ニューバーグ博士は30年近くスピリチュアルな体験と脳神経の関係を研究してきた。
今回はそのなかで、単なるスピリチュアルな体験ではなく、人生を一変してしまう、世界観、人生観の変化する自己改革、一般に「悟り」と呼ばれるものと脳との関係、そのとき脳はどのような活動をしているのかについての研究を紹介する。

1.はじめに
アンドリュー・ニューバーグ博士の研究をご紹介する前に、博士の言う「悟り」というものについて述べておく。まず、「悟り」とは何か?ということの答えは難しいもので、さまざまな定義がなされている。
そこで博士の言う悟りがどういうものであるか博士の体験から探ることができると思われるのでご紹介する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アンドリュー・ニューバーグ博士の「悟り」の体験

「私は新しい黙想の実験を試みることにした。自分の考えのすべてが想像力に溢れた脳の産物に過ぎないと信じていたので、自分の意識の産物をすべて、言語、感情、認知、自省など、偏見や歪みの可能性があるすべてを排除しようと試みたのだ。(中略)「無限の海」が見渡すかぎりに広がり、すべてがそのなかに包み込まれていた。世界も宗教も科学、哲学、そして私自身もだ!(中略)私はそれに全面的に明け渡し、完全にそれを受け入れ、私も私の思考も他人も宇宙もつながり一体となった無限の海に浸るしかなかった。(中略)この一件が私の人生と哲学にとって最も重要な転機となった。私は自分が自己変革を成し遂げたと感じ、25年前に起きたその変革は今でも私のなかで生きつづけている。(中略)黙想すれば、(中略)体験に戻れるようになっていた」

(「『悟り』はあなたの脳をどのように変えるのか - 脳科学で『悟り』を解明する!」
アンドリュー・ニューバーグ, マーク・ウォルドマン (著) ナチュラルスピリットより)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この体験を「悟り」とは認定しない宗教者もいるだろう。しかし、アンドリュー・ニューバーグ博士はこの体験が自分の生きやすさやいい自己変革であることの感覚から、自分の体験をもとに「悟り」の定義をしている。それにもとづいての研究であるから100%正しいとは言えない。まだまだ明確でないところは多々ある。「悟り」と人格の問題・霊的な要素との関係など詰める必要がある。それらをはっきりさせている人もいないと言えばいないと行っていいので、博士が至らないというつもりもないが、絶対的でないことは間違いないと思う。

「小さな悟り」と「悟り」の違いを設けている点についても、「小さな悟り」と「悟り」に優劣をもたせているが、それも博士の「悟り」の定義にもとづいているものなので絶対的なものではない。このように、この博士の見解が絶対的でないことをあらかじめ認識しておいていただきたい。ひとつの見解として何か私たちの学習に役立つ利益がある部分は取り入れていただきたい。
また、調査研究も100%完璧なものはどんな研究でもそうであり、2千人の体験調査もその人の主観的認識であり第三者の客観的な意見が反映されていないこと、スピリチュアルな体験をしやすいなどの霊的体質などが考慮されてないようであるので、調査結果も傾向程度に受け取る必要はある。
「悟り」というある意味曖昧な現象をまだまだ発展途上の脳科学が取り組んでいるのだからそこに絶対はない。ひとつの希な勇気ある研究の紹介である。

2.「悟り」は脳を変える

「悟り」は脳を変え、自分や世界に対する認識を変え生き方を変える体験であるとアンドリュー・ニューバーグ博士は言う。
「悟り」は東洋において重要視される。西洋においては「悟り」につながる自分や世界に関する新たな洞察(小さな悟り)、一瞥体験について語られることが多い。アンドリュー・ニューバーグ博士は「悟り」と「小さな悟り」を分けている。一瞬(一過性)の「小さな悟り」を得ることは良いことで、「悟り」への理解が進む。研究の結果から「小さな悟り」は人生を一変させる偉大な自己改革(=悟り)のために脳を整える準備になることがわかるという。「悟り」は人生の苦悩を取り除き、平和と幸福を与える究極の体験であり、脳はそれを求めているという。
「小さな悟り」と「悟り」の違いは、「小さな悟り」は一過性のもので、過ぎればもとの日常の意識状態に戻ってしまう。「悟り」は一過性のものではなく、恒久的な変化である。

 

 

<<< 前へ【2018年夏期セミナー心理学講義 『差別の心理』】

次へ【心理学講義『愛着理論』対人関係に強い不安を覚え、回避するなどの愛着障害とは?(2018年1月1日 74min)】 >>>

ひかりの輪
 👆参加ご希望の方はこちら
ひかりの輪ポータルサイト
一般の方のために
ひかりの輪YouTubeチャンネル
水野愛子のブログ「つれづれ草」
水野副代表のブログ
広末晃敏のブログ「和の精神を求めて」
広末副代表のブログ
ひかりの輪の広場
活動に参加された方の体験談
テーマ別動画
テーマ別の動画サイトです
ひかりの輪ネット教室
ひかりの輪ネットショップ
著作関係
外部監査委員会
アレフ問題の告発と対策
地域社会の皆様へ