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2018年夏期セミナー心理学講義 『差別の心理』

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 今回の心理学講義のテーマは「差別」を取り上げた。

差別問題で、最近、国会議員が「LGBTは生産性がない」と発言したことが波紋をよんでいる。この発言と合わせ、2年前に起きた相模原障害者施設殺傷事件も取り沙汰されている。歴史的に見れば、ナチスによるユダヤ人虐殺や、白人と非白人の処遇を区別していた南アフリカ共和国のアパルトヘイト(人種隔離政策)などがある。

※LGBT とは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性別越境者:生まれた時の性別と自分で認識している性別が異なる人)の頭文字をとった単語。

第1部においては、差別の心理的メカニズムを解明し、第2部においては、実際の差別の例をあげ、概要を述べることにする。


第1部 差別の心理的メカニズム

1.深層心理の差別要因

(1)優越コンプレックス
差別の深層心理的要因のひとつとして、優越コンプレックスがある。
優越コンプレックスとはアドラー心理学で説かれている概念である。アドラー心理学のことを「劣等感の心理学」ということもあるように、人間の劣等感を基礎においている心理学であり、この優越コンプレックスも劣等感と関わっている。
人は、自分が過度に劣っているという思いによって劣等コンプレックスを生じさせる。劣等コンプレックスは、劣等感を受け入れられず、無意識にネガティブな感情と結びついている反応で、強い自己否定の状態である。卑屈が強く、自分の価値を感じられず、極度に恥ずかしがったり、臆病になったり、引きこもってしまう。これらは、自分の耐えがたい劣等性が人前にさらされることを避ける行動といえる。そうすることによって、人に笑われることを避け、自己評価がさらに傷つくことが避けられる。
しかし、人は自分が劣っているという思いだけでは生きていけないので、自分はこんない凄いんだという優越感を感じることができる言動にでる。劣等コンプレックスの埋め合わせ(補償)として、自分が優れていると思う部分を強調したり、他を貶めることで自分の優越性を感じようとして心の安定を図ろうとするのである。それが優越コンプレックスである。
優越コンプレックスの人は以下のような言動をとる。
・言い訳をいう
・他人の劣っている点を見つけて、見下す
・相手にとって不必要な協力を自分から申し出る
・失敗の原因を誰かのせいにする
・障壁を心の中に作る(引きこもる)
・自分がされた嫌なことを他の人にも行う
・自慢話が多い

この中の「他人の劣っている点を見つけて、見下す」というのが、差別に関わる。差別感情は、差別の対象が自分より劣った者として見くだし軽蔑する意識である。
また、「失敗の原因を誰かのせいにする」というのも、その他者を失敗するような劣った者であると規定する、貶めることで、自分の優位性を保とうとすることである。「自分より劣ったどうしようもない人たち」という差別対象は、優越感を感じたい者には最適な存在である。このように、自己の優越性、自己の価値を他を貶めることで得ようという優越コンプレックスは差別の要因のひとつである。

 

 

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