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2018年GWセミナー心理学講義 『孤独について』

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1.はじめに



今回の心理学講義は、アメリカの元科学的心理学会会長ジョン・T・カシオポの孤独についての研究、1970~80年にアメリカで開発された対人関係療法を背景にしている内容である。対人関係療法は新フロイト派の対人関係学派の理論をもとに作られたものである。



本題に入る前に、「孤独」という言葉の定義を考えてみる必要がある。孤独には2つの意味がある。「物理的な孤独=社会的孤立」と「精神的な孤独=孤独感」である。「物理的な孤独」な状態であっても精神的には孤独を感じていない場合もある。逆に、誰かと一緒にいて物理的には孤独でなくても精神的な孤独を感じるときがある。しかし、一般的には「物理的な孤独」状態のときに「精神的な孤独」うぃ感じやすい。本テキストで単に「孤独」と言っているときは、とりあえず物理的・精神的双方を含むものと思っていただきたい。そうでない場合は、できるだけ、「物理的な孤独(孤立)」、「精神的な孤独(孤独感)」と分けて表記した。





2.今、世界で孤独が問題視されてきている



イギリスで今年2018年1月、政府は「孤独担当相」を新たに任命すると発表し、世界に驚きを与えた。孤独は緊急に対処すべき課題であるという認識が世界に広がっている。



イギリスでは68%の成人が寂しさを感じていて、なかでも18~34歳では83%もの人が寂しさを感じているとう調査がある。この調査では、5年前より38%の人が人とのかかわりが減ったという結果も出ている。アメリカでも2010年に45歳以上の人に行った調査で35%の人が孤独と答えている。また、別のアメリカの調査では「親しい友達がいない」と回答した人の数は1985年から2004年にかけて3倍に増加し、特に成人男性が友だち関係を維持することが難しくなっていることがわかった。オーストラリアの調査でも60%の人が「しばしば孤独を感じる」と回答していて、82.5%の人が「孤独を感じることが増えている」と答えている。中国でも孤独を感じる人が増えている。1992年には「孤独を感じる」人は16%だったが、2000年では30%にまで増えている。このように各国において孤独を感じる人が増えてきている。





3.日本の孤独の実態



OECD(経済協力開発機構)の調査では、友人、同僚、その他のコミュニティの人とほとんどつき合わない人は、日本15.3%、全体の平均6.7%の約2倍であった。オランダ2.0%、アメリカ3.1%、ドイツ3.5%である。

友人と「めったに会わない」という人は、日本30.1%、アメリカ6.3%、イギリス5.2%、サークルや社会的活動団体のメンバーと「めったに会わない」という人は、日本62.2%、アメリカ30.0%、ドイツ24.5%であった。日本人の場合、趣味のサークルや社会的活動団体への参加している人自体が少ない。



内閣府の「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」(平成27年版)では、同居家族以外で頼れる人として「友人」と回答した人は、日本18.5%、アメリカ45.0%、ドイツ45.0%と日本が一番低かった。「近所の人」と回答した人は、日本18.3%、アメリカ24.6%、ドイツ42.2%とこれも一番低かった。頼れる人がいないという人は日本が一番多かった。

また、平成22年度の調査では「心の支えになっている人」は、「配偶者あるいはパートナー」と答えた人は65.3%(アメリカ46.0%)と高く、男性は78.8%、女性は54.0%という結果だった。男性の配偶者への依存がみてとれる。配偶者に先立たれた場合、男性の死亡率が高いという調査があるが、配偶者を頼りにして、友人や近所づきあいが少なければ、配偶者を失ったことで一人になり孤独を感じ、そのことで死亡率が高くなったと言えそうである。



このような結果からみると、日本は欧米よりも孤独(物理的な孤独、精神的孤独双方含む)な人が多いと考えられる。ここでは詳しいことは述べないが、特に日本の中高年の孤独が他国と比べて深刻であるというデータもいくつかある。



 



 


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