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第51回心理学講義 『アドラー心理学』

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 アドラーは、欧米ではフロイト、ユングと並び「心理学界の三大巨頭」と称され、絶大な支持を誇る。
ユングと同様にフロイトの弟子と思われていることが多いが、アドラー自身が自分をフロイトの弟子だと認識していない。A.アドラーは、1902年にフロイトが主催するウィーン精神分析学会に参加した精神分析家であり、フロイトとアドラーは対等な共同研究者であった。

アドラー心理学は、精神医学や臨床心理学よりも教育分野、自己啓発の分野に大きな影響を与えた。それはアドラー心理学では、"やる気・意欲・継続力・目的意識"を指導者などが後押し(サポート)しながら高めていこうとする『勇気づけ』が重要な役割を果たしているからであると思われる。

アドラー心理学では、「勇気づけ」を重視する。現代のさまざまな問題行動の背後には、勇気をくじかれ、やる気、意欲、目的意識がない状態がある、と考える。

また、「共同体感覚」という価値観を大切にする。
「共同体感覚」というのは、共同体への所属感・共感・信頼感・貢献感を総称したもので、カウンセリングや教育の目標とされ、精神的な健康のバロメーターとみなされる。
自分の居場所がなく、自分のことしか考えず、周囲の人達を信頼せず、 他者の役に立とうと考えない人は、精神的に不健康な可能性が高いと考える。

今回は、アドラー心理学の基礎である劣等感についてと、その克服ための共同体感覚についての講義である。


1.アドラー心理学の基礎~劣等感

アドラー心理学のことを「劣等感の心理学」ということもある。
人間の行動の原理は劣等感にあるという説だ。フロイトの人間の行動は「リビドー(性衝動)」によるものだ、という説に異を唱える形で提唱された。

2.劣等感はマイナスではない

劣等感が人間のあらゆる文化を生んだ、また、劣等感は人間が集団を形成することと大いに関係している、とアドラーは主張した。

人間は自然界において、他の動物と比べ、大きな力や体を持っていないし、運動能力も劣っている。人間はこのように生物として劣等性を持っている。そこで、人間はこの劣等性を補うために集団を形成するようになった。
生物として劣等性があるがゆえに、人間は社会を形成し、集団で生活していかなければ生きていけないということである。
力が弱いがゆえに、身を守るための道具を作る必要があった。そして、知性が発達すると、大自然・大宇宙と比べ、自分がちっぽけな無力な存在であることに劣等感をもち、芸術・宗教・哲学などはそれを補うものとして生まれた、とアドラーは考えた。

3.個人の持つ劣等感

アドラーは「人間であることは劣等感を持つことである」という。どんな人にも程度の差はあるが、劣等感はある。
ここで、劣等性と劣等感という言葉の意味を明確にしておく。
劣等性とは、容姿、特徴、能力などを他人と比較して劣っているということ。
劣等感とは、劣っているということ(劣等性)に対して、負い目や恥ずかしいと感じ
たり、無気力さを感じること。例えば、背が低いという劣等性から劣等感が生じる。

アドラー心理学では「劣等感」というものは、マイナスのものではないととらえている。劣等感があるからこそ、それを克服して、よりよい状態になりたいと思い、成長ができるという考えである。
劣等感を持った子どもに、その劣等感のもととなる劣等性を批判すると神経症になる可能性が高く、逆に、勇気づけると、子どもは意欲と勇気を持つようになると、考えた。

 

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