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私と一般の方々との意見交換の中から、Q&A方式にしてご紹介します

ボランティアの心理について

Q:ボランティアの心理についてなんですが、
ボランティアをする人というのは、
ボランティアをされる側が存在することによって
充実感を得られたり、
満足感を得られたりするという場合があると思うんです。

相手より自分の方が優れているから
助けてあげられるという優位性、
自分が存在することで
ボランティアを受ける側が助けられているという、
自己の存在価値の認識。
こういったものが生じると思うんです。

それが、ボランティアを行なう上での
目的になってしまう人がいる。

これについては、
「別に利害関係が一致していればいい」
という意見もありますが、
わたしにとっては、心の問題というか、
心の持ち方というのはすごく重要だと思っているんです。

それで、宗教というと、
他の人を救うという大乗的な思想が含まれているものですし、
そういった偽善的な精神を持ちやすいと思うのですが、
その辺は、上祐さんはどう考えられるのでしょうか。

A


◎真の大乗の実践

非常に高等なご質問だと思います。

おっしゃるとおり、私も、慈善活動は良いことだと思いますが、
どんなことも、絶対的な善ではないですから、
慈善活動の裏側や、その少なくとも一部には、
自己の優越感の充足といった側面があるだろうと思います。

そして、それに気付いて、
それさえも、心の汚れ、偽善ではないか、と思うことや、
そして、大乗の思想に関心を持っていることは、
あなたが、非常に仏教的な思想・価値観を
良く理解されているという証ではないか、と思います。

では、自分が理解する仏教的な一元論的な思想、
すなわち、真の大乗仏教の教えの解釈において、
どのように利他の実践をする際に、
優越感・偽善の心を乗り越えるか、ということについて、
一つの方法を簡単に説明します。

まず、すべての人々・生き物から
多大な恩恵を受けてきたことを理解し、悟ります。
わたしたちは一人で生きることはできません。
動物から人間まで無数の生き物に支えられて生きています。

また、例えば、今、私たちが、
仏教の法則を学ぶことができるのも、
無数の法則を説き伝えてきた、
古来からの無数の如来・導師・修行者、
それを支えた無数の人々のおかげです。
よって、利他の実践は、恩返しの実践なのです。

こうして、利他の実践は、恩返しの実践である、
ある意味で、義務である、と位置づけて、
優越感を超えることができます。

他の方便もあります。
輪廻転生思想を前提とするならば、
今生だけでなく無数の過去世について考えるならば、
すべての魂が、過去において、わたしたちの父母などとして、
深い恩恵を与えてくれた生があるはずだ、ということになります。
よって、恩返しの実践をする、と考えます。

もう一つ別の考え方もあります。
これは、カルマ・ヨーガと呼んでいますが、
すべての他者から学び取り、心を成熟させる実践です。
それは、他人の悪行を見たら、
自分にもそれがないかと反面教師として自己を内省する機会とし、
他人の善業を見たら、それを見本として見習います。

こうして、すべての他者を自分の教師・反面教師と見て学んで、
それに基づいて、他者に対する感謝を深めます。
そして、感謝に基づいて恩返しの実践としての利他の実践を行います。


◎キーワードは恩返し

こうして、キーワードの一つとして、「恩返し」があります。
自分の方が偉いから、優位だからではなく、
恩を受けているからそれを返すという謙虚な心が生まれます。

一言で言うと、わたしたちは一人では生きられず、
成長できず、幸福になれない。
すべての達成は、無数の、いや、すべての生き物の協力によって
与えられているのだという真実があるのです。

別の言い方をすれば、
自分が他に対して優位な立場でいて慈善活動をしているとしても、
それ自体が無数の他のおかげである、という真実があるのです。

現在の世の中は、エゴが強くなり、
自分と他人を区別し、自己愛が強くなっています。
個人主義、競争社会、自己の存在意義の追求などに満ちています。
自分が他と違って、正しい、偉い、目立っている状況に酔ってしまう、
というマインドコントロールがなされていると思います。

そして、その社会が生み出している宗教も、
21世紀までの状況を見れば、
私がかつて関与したオウム真理教を含めて、
さまざまな宗教戦争・テロリズムがあったように、
独善的な思想・教義を流布する場合があります。
宗教も、いや宗教こそが、変わらなければならないと思います。

それから、自分が正しい、偉い、優れている、
という思いを募らせている人は、
そのために、それと逆の状況が生じた場合には、
激しく落ち込み、自己嫌悪・卑屈に陥ってしまいます。

こうして、虚栄心と自己嫌悪の間で揺れ動き、
感情の波が激しく、精神的に不安定な人が、
最近は非常に多くなったのではないか、と心配です。

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